「episode S4」が「episode Solo」のタイトルとメロディに寄せていたのに対して「始まりのLegend」はこれまでエルザ達が披露してきたどの楽曲とも異なり、まさに新境地と言える最高、最強の新曲でした。
メロディの強さは聴いて下さいということで、本稿では空谷泉身さんの執筆された歌詞の解釈を語りたいと思います。
「We're here! We're here! Why not join us?」
エルザが孤独の太陽であった頃の楽曲は「どこにいたって私がここにいる」でしたが、今回は開始直後から「We」と歌い始めています。
主語が一人ではないところにNVAの楽曲であることを感じますね。「Why not join us?」と参加を呼び掛ける様子は誰でも乗れるようになった学校の方針を思い浮かべます。
「何度でも(Yeah!)甦るフェニックス(Yeah!)」
「火傷しそうな情熱(Yeah!)消えない たとえ灰になろうと」
「挫けても傷つけられても 折れない翼 手に入れたの」
「アイカツスターズ」では挫折に関係する言葉が歌詞に度々用いられてきましたが、エルザの楽曲ではまるで彼女の完璧で無敵な姿を表すようにそうした言葉を今まで避けていました。
ところが新曲では引用の通り、挫けることもあれば傷つくこともあります。そして自身の情熱で燃え尽き灰になることもありますが、そこからフェニックスのように何度も甦ります。
挫けず傷つかない強さから、心が折れても立ち上がる強さへと変わったと言えるでしょう。それはゆめに敗北して失敗しても全てが終わってしまう訳では無いことを知ったエルザの姿と重なります。
「キラキラとする宝石(Yeah!)きれいね 心動かすくらい」
「一人だけでも強い光 だけど誰かと寄り添ったら」
「ダイヤモンドにも負けないわ」
宝石はS4に対して使われるイメージがありますが、エルザがアイドルを表現する際にも使われていますね。
新曲では他にも「星はいつでもあの空」「無数に瞬いてる」とユキエが本当の闇を見せた時のような作中の描写を連想させる歌詞が多いように思います。
誰かと寄り添うことでダイヤモンドにも負けない程に強く光るとありますが、ここで述べられているダイヤモンドとは何か。
宝石の中でも特に美しいとされるものとしてダイヤモンドが比喩的な表現の為に選ばれた線も考えられますが、ダイヤモンドは「Forever Dream」においても用いられています。
「抱きしめたい 夢色のダイヤモンド」
夢色のダイヤモンドが何を指しているのかは分かりませんが、上記の歌詞を踏まえて解釈するのであればパヴェリングのように寄り添った仲間と生み出す光は、かつて抱きしめたいと願ったダイヤモンドにも匹敵するということになるのではないでしょうか。
「命を燃やしながら 煌めく火の粉撒いて(レジェンドへと)」
「私たちこそパーフェクトだから 伝説になれ」
ただその場で燃えるだけでは治まらずに火の粉を振り撒く。恐らく振り撒かれた火の粉は他へと燃え移り、更に大きな火を生むことになるでしょう。レイやローラといった周囲の人々の心に火を灯してしまうエルザらしさが感じられます。
新曲の終盤で歌われる「私たちこそパーフェクト」。これを聴けば誰もが97話の前口上を思い浮かべることでしょう。
この「私たち」がエルザ、レイ、きらら、アリアであることに異論は無いでしょうが、個人的にはそれだけではないと考えています。何故なら「Why not join us?」と繰り返し歌われているからです。
確かにエルザ達四人の楽曲でありますが、その関係性は四人で完成されて閉じているのではありません。NVAが生徒を募集しているように「私たち」以外の者を受け入れる作りになっています。
仮に歌を聴いている側が「私たち」側に入ったのであれば、そこには「パーフェクト」になれる可能性が十分に秘められているのではないでしょうか。
その様に解釈すれば「始まりのLegend」はエルザ達が最高、最強と歌い上げる楽曲であると同時に、受け手にも最高、最強になれる希望を与える応援歌になることでしょう。
情熱のままに書き連ねたので後で書き直すかも知れませんが、思わず語りたくなってしまう程に良い曲でしたということを最後に述べさせて頂きます。