アニメごろごろ

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アイカツシリーズの可能性を大きく広げた「アイカツプラネット」

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実写とアニメを融合させた「アイカツプラネット」。発表当時はファンの実写に対する動揺が見られ、若い層からは否定的な意見も多数ありました。

私自身も最初は不安を抱いていたのですが、実際に作品を観賞してみると予想以上に面白く、作品に関わる方々の新たなことに本気で取り組む熱を感じました。

商業的に成功したのかはひとまず置いておきますが、企画としては非常に素晴らしく「新しいことをしっかりとやりきった作品」であったと思います。

アイカツシリーズのファンだから受け入れられない部分はあるでしょうが、長年追い続けていたファンにしか感じられない感動も「アイカツプラネット」にはありました。

 

常に新しさがあったバトルステージ

近年は予算の都合なのかステージの使い回しが多く見られ、「アイカツフレンズ」ではカメラワークが変えられることは稀でした。

ステージの完成度は高かったとはいえ、ハニーキャットやリフレクトムーンの全く同じ映像が何度も流され、またステージが1話に1回はしなければならないというノルマの様に行われることには物足りなさがありました。

それに対して「アイカツプラネット」は曲が同じでも歌う人は変わり、勝利するドレシアも変わり、カメラワークも頻繁に変わる為に見ていて飽きません。また「ココロノトモ」を幼馴染と好敵手に歌わせるなど、物語的な意味を感じるステージが目に付きました。

観客席のペンライトの演出も凝っており、ハナが正体を告白した直後の「またまたまたまたまた明日」では、彼女への不満を表すように歌い始めはペンライトがあまり光らないという演出がされていました。

筐体で遊ぶことになるステージを如何に面白く表現するか、アニメパートを少人数で制作する代わりにステージの制作には相当な力が入れられていたと思います。

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先の読めないストーリー展開

変わったことはステージだけではありません。ストーリーに関しても新しいことに挑戦されていて、とても先の読めない作り方になっていました。

栞がアイドルになりたいと打ち明ける、明咲といずみが不穏な空気を漂わせながら再会するなど、一話完結型の良い話で締められたかと思ったところで何か起きることもそうなのですが、過去作品と比べて特に変わっていたのは情報の伏せ方でした。

キッズアニメは重要な情報が雑誌やCMで早くから明かされている為、大人であれば先々の展開は何となく分かるようになっています。ところが「アイカツプラネット」には積極的に情報を集めている大人にも予期しない展開が幾つもありました。その代表格と言えばやはりドレシアップでしょう。

その他にも「ファンタジっくイマジネーション」を普段と同じ様にMVで先に流すのではなく、アニメのステージの方でいきなり流すといったサプライズがありました。

そのような話を盛り上げる準備が地道にされていた甲斐あって、決勝戦は類を見ない程に熱いステージに仕上がっていました。次いでに言うと最終回直前になっても終わるのかが分からないという貴重な経験も得られました。

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2クールを全力で駆け抜ける

アイカツプラネット」の挑戦として外せない点として、僅か2クールに全て込めたということも挙げられます。これまで4クール以上が当たり前であったことと比べると極めて短いのですが、その困難な条件下で8人ものアイドルの物語を見事に描きました。

それだけでも大したことなのですが、ただキャラを魅せるだけで終わらせず、玩具販促を自然に取り入れながらオシャレの魅力も子供に伝えているんですよね。

1年間放送されなかったとしても構成を巧く作れば、今までと変わらないくらい魅力的な作品になる。個人的にはそこにアイカツシリーズの可能性を感じました。

 

アイカツプラネット」は過去作品で不満に感じていた点を限られたリソースの中で改善しようという意思が感じられ、ファンとしてはよくぞここまでやってくれたという感謝で胸がいっぱいです。

この記事を読まれている方には不必要と思いますが、傑作ですのでアイカツシリーズのファンは是非とも視聴して下さい。

 

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