アニメごろごろ

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「アイカツ」自分らしく生きる事を教える紅林珠璃

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珠璃「第1位でも第2位でもなく第4位でもなく第3位。何だか今の私らしい順位だと思う。これからも私は私らしくアツいアイカツを続けていきます。」

スターライトクイーンカップの表彰式で珠璃が語った台詞。その意味を今回は考えていきますが、その前に紅林珠璃とはどの様なアイドルであるのかを述べていこうと思います。


人の心を熱く燃えさせる紅林珠璃
大女優の母とイケメンシェフの父の間に生まれ、「珠」に「璃」と宝石を表す名を持つ紅林珠璃。シンデレラをモチーフにしているドレスを与えられるだけあり、容姿に恵まれたアイドルですが、スミレと違ってそこが物語上の問題として取り扱われることはありませんでした。

珠璃が苦悩していたのは世間から紅林珠璃としてではなく、紅林可憐の娘として見られること。灰をかぶって汚れていたシンデレラとは逆に、珠璃は七光りによって正当な評価を下されません。

私を見て欲しい、私らしくありたい。それが珠璃の物語のテーマと呼べますが、その問題は意外にもあかりと出会ってすぐに解消されてしまいます。そして、私らしくというテーマは珠璃ではなくエンシエロ、ひなき、ムレータ、リサと彼女の周囲で描かれることになります。この構造が面白い。

情熱を忘れてしまったり、顔色を窺って本当の自分を出せない人に、それを出せるように働きかける。珠璃は魔法使いからドレスを受け取ったシンデレラでありながら、同時に多くの人に力を貸す魔法使いでもあります。

ひなき「私を大きく変えてくれたのは珠璃なんだぜ」

サングリアロッサのロマンスドレスに人魚姫(ひなき)に王子様に会う足を与えた魔女、親指姫(あかり)を地上の世界へ連れ出した燕と背中を押す役が多く見られるのは、そうした性格が反映されているのかもしれません。

情熱的な生き方で周囲をより良い方へ導き、積極的にユニットを組んで人の輪を広げた珠璃。いちご世代とあかり世代の差として、主人公並の活躍をしてきた彼女の存在は大きかったのではないかと感じています。

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紅林珠璃の見ている先
それでは前置きはこれくらいにして本題に入りましょう。どうして珠璃はスターライトクイーンカップにおいて3位を今の私らしい順位と思ったのか。

結論を先に言えば、珠璃にはアイドル歴が浅いまどかやリサには勝てるとしても、同級生のあかりやひなきには勝てない予感があったからではないかと考えています。仮にそうであるとしたなら、次は何が足りていないのかという話になる訳ですが、個人的にはクイーンになる意欲が乏しかったという風に捉えています。

 

クイーンはアイドルにとって非常に価値がありますが、そもそも珠璃の抱いている夢はトップアイドルではなく大女優。アイドルらしく今は歌い踊っていますが、女優として生きる道を幼い頃から選んでいます。例えるならガラスの靴を履いて舞踏会で踊るよりも、無数の物語を語る方を好むような人。

女優要素が重視されていることは、エンシエロからセニョリータシェヘラコーデという処刑を繰り返す王を止める為、命を懸けて千と一夜の物語を語り続けた女性の名を持つドレスを渡された姿からも感じ取れます。

エンシエロ「ペルシャのアツきヒロインシェヘラザードとセニョリータ珠璃と重ねてイメージした。」

女優として生きる上でもクイーンの肩書は有効ではあるとはいえ、初登場時に肩書よりも演技力で評価されることを望んでいた珠璃にとって、本気で勝ち取るべきものであるのかはあやしいところ。

極端な言い方になりますが、ひなきのように夢を叶える手段として使わず、あかりのように特別な思い入れもないのであれば、クイーンにはなってもならなくてもどちらでもいい。結果以上に大切なのは自分らしくあること。

 

ひなきに言われるまで自分がクイーンに最も近いアイドルになっていることを忘れ、表彰式ではスミレやまどかのように来年こそクイーンになってみせるという姿を見せなければ、ひなきやリサのように心の底から悔しがる姿も見せなかった珠璃。

上記の描写から判断した場合、珠璃がクイーンになりたいという熱意で負けていないとは言い難く、そうした意識を本人も心の奥で感じていた為に、3位を「今の私らしい順位」と素直に受け入れていたのではないかと考えています。

 

最後に、物語上は珠璃が3位で妥当ということになりましたが、もしもステージの順番が違っていたらどうなっていたかは分かりません。メインキャラの中で真っ先に暫定1位の座を手に入れた珠璃がいたからこそ、その後に続く仲間も気合いが入るというもの。

仮にひなきがステージを先に終えて珠璃の前に立ち塞がる壁となっていた場合、その壁を乗り越えるように激しく燃えて、本編で描かれた以上のステージを披露してくれたことでしょう。長くなりましたが、ここまでお付き合いして頂きありがとうございました。

 

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