アニメごろごろ

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「アイカツフレンズ」明日香ミライが好き好き大好き

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新しさを探し求める明日香ミライ。その身長はあの神崎美月と全く変わらない165cm、そのフォロワー数はインスタグラムで日本一となる渡辺直美さんと肩を並べるトップアイドル。

今まで彼女の人柄に惹かれていながら、その魅力を上手に言い表せずにいたのですが、天翔ひびきの登場によって自分の中で掴めてきたので、その想いを書き残すことにしました。

 

先に進む者と回る者

人を楽しませるエンターテイナーであるミライさんとひびきさん。彼女達は似ているようで似ていない点も多く、両者の差異は歌詞にも表れていました。

 「Be star」は振り返ることなく顔を上げて、見たこともない世界に届く為にあの向こうへ進む歌。

「新たなるステージへ」はどれだけ遠い道でも、同じ景色を見る為に歩き出す歌。

どちらも目的地に向かって突き進む意味が強く、ラフに楽歩、楽歌、楽々ライフする「そこにしかないもの」のように楽しく回り道する雰囲気は弱めでした。

ヘブンリーフレイムの階段の演出から感じられるように、基本的に長い道を進む者のイメージが与えられているものと思われます。

それではミライさんはどうなのかと言えば、少なくともひびきさんと違って遠い所を目指している訳ではないでしょう。

 

アイデンティティ」は風が変わってぐるりぐるり回ることを楽しみ、皆と違う自分を肯定する歌。

「Niceなto meet you!」は同じ所でぐるぐるすることを止め、一歩を踏み出してメリーゴーランドやコーヒーカップを見つける歌。

どちらも回転が歌詞のポイントになっています。どの乗り物も同じ所に戻るものであり、ひびきさんのように先に進んではいません。ある意味で停滞していると受け取れますが、乗り物から見える景色は目まぐるしく変わるもの。それは時に意識の変化に繋がります。

「同じとこぐるぐるぐる それじゃもったいないよ」

「Round and roundだった 出会っちゃったコースター」

 外に出て色んな所を見て回る。そうすることで知らないキミに会えて、知らないワタシに会える。周囲に目を向けるからこそ、自分が何者であるのかも見えてくるのでしょう。

この視点を変える話はあいねと知り合って世界を広げた後のみおが歌う「セカイは廻る」にも通じることではないかと思います。ここでも回転が世界を広げて楽しくなることを伝えていました。

「クルクル楽しい(Color)自由にモード(Switching) ほらまた変わる私Like it」

「廻る廻るよGIRLあちこち歩く 夢を叶えてまた夢は続く」

ずっと続く楽しいガールズトークよりも6cm上の景色を見たがっていたみおが、ただ上を見ることから他に目を向けるようになり、自分でも想像しない嬉しい誤算ばかりの毎日を手に入れる。「セカイは廻る」はそういった1年目から2年目のみおの変化が感じ取れる歌詞。

ちなみに、あいねの「窓-ココロ-開こう」はみおと逆に上と前を向いて迷わず進む強い歌詞。みおの後に着いて歩くだけにならないところが、ダイヤモンドフレンズらしくていいですね。

お互いパートナーの影響を受けたことを強く感じます。こうした魅力は作詞を松原さらりさんに全て任せたおかげで生まれるのでしょう。

「上に上に上に上に上に 行こう行こう行こう一緒に行こう」

「立ち止まってないで今動き出そうよ」

さて、ミライさんの話に戻りますが、上で述べたように視点を変える方に注目していて、上昇志向を感じさせる言葉は特に語られていません。そういった内容はキュートタイプのラブミーティアとしての楽曲に集中、ポップタイプのミライさんとしての楽曲は上に行くことに興味が薄いようです。

 

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視点を変えれば世界は変わる

チガカワが口癖で変人のイメージもありますが、精神的に成熟しているミライさん。奇抜な行動に隠れて見え難いですけれど、ああ見えて日常を大切にしている人。そう思える描写が意外と多いんですよね。

ひびきさんが雪山、砂漠、宇宙と一般人が経験しないであろう地に辿り着く中、ミライさんは日本の外に行く描写が少なく、変わった子を探して街をふらふらするばかり。

立場的にひびきさんと同じ事をする金も力も持っているはずですが、作中ではそうした非日常な方向に挑戦する気配が感じられません。恐らく、そこにはミライさんの探し求める刺激は無いのでしょう。

ミライ「見馴れた街の風景もここから見ると違う表情に見えない?」

ひびきさんが特別な景色を見る人とするなら、ミライさんは日常の景色に特別を見る人。その為か趣味で撮影した写真は皆が驚くようなものではなく、後輩の変顔や水上バスから見える街。自分の感じたことを人に伝えたくて、日常のちょっとした場面を撮影して投稿しています。

とっておきの場所と語って訪れた店。そこで食べたチョコレートケーキもチーズが入っている程度の代物。大人気のダイヤモンドフレンズでありながら、やっていること自体は普通の女子高生と大して変わらない人で、それが逆に凄い。

 

ミライさんは世界的に称賛されるものではないとしても、そこにチガカワな価値を発見することが出来るんですよね。そうした感性の持ち主だから、ラブミーティアを相手に失礼な態度を取るあいね、ラジオ番組で上手に話せないアリシアさん、オーディションで不正を行うわかばにも好感を抱けるのでしょう。

未熟故の失敗も個性として肯定する。不器用で皆と同じ様に生きられないとしても、それを自身の魅力として受け入れてもいい。カレンさんが全人類に無償の愛を届ける人とするなら、ミライさんは自分の愛し方を教える人。

わかばみたいな自己肯定感が低い子の「スキ」を肯定してあげて、それを好きな自分自身まで好きになれるようにしてあげるミライさんが好き好き大好き。

「わたしは異色 わたしだけでいい それもとても大事なアイデンティティ

「ちがっていいんだぜんぶ前代未聞 だからまわってくるりくるりわたし」

皆に認められなくても、特別な経験をしていないとしても、それで自分の魅力が損なわれるものではありませんし、人生に幸福を感じられないなんてことはありません。

身近にいる幸せの青い鳥。その存在を教えてくれるのが、明日香ミライというアイドルだと思っています。カレン島の地下に再現されたペンギンカフェやわかばのドレスに青い鳥を付けた訳も、そうしたところにあるのかもしれません。

わかばがアイドルとしてデビューして独りになっても、世界中で愛されるトップアイドルになったとしても、身近な幸福を忘れないで欲しい。チロリアンライトブルーコーデにそのようなメッセージが込められていたら嬉しいですね。 

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愛を届ける天乃川の切り札

星宮いちごがトップアイドルとお弁当屋を同列に捉えられるように、アイドルとして輝いたとしても高価な宝石や衣装ばかりに気を取られず、足下に咲いた小さな花を見つけられるようなミライさん。

そんな風に普通の人が目を向けないところまで愛せる人だからこそ、愛を忘れて勝利のみ追い求める神城カレンを倒せるジョーカーになれた。そう思っています。

 

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wire-snow478.hatenablog.com