アニメごろごろ

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「アイカツ!10th STORY~未来へのSTARWAY~」何てコトない毎日の価値を知る時

アイカツ」178話の先を描いた劇場版が公開となりました。数十分と短い話ではありますが、いちご世代が好きだった人へのサービス精神に溢れた物語でした。

序盤の祝賀会では料理の話から寿司屋のかえで、ユリカを繋げ、開催場所のスターライトクイーン寮の話からおとめ、さくら、しおんを繋げる。

その他にも蘭に「食べな(オムライスでもワカメでもない)」を言わせるなど、短い中で各方面にネタを供給する見事な構成でした。勿論、見所はそれだけではありません。

かつてのメインターゲットも今や高校生や大学生となり、自分で進むべき道を決める時期になりましたが、本作品はそうした子供達へメッセージを送る素敵な作品であったと思います。

 

あおいの選んだ道

後輩達が内に秘める才能を発揮させてあげたい。それが出来る立派な先生となる為、ロサンゼルスで本格的に勉強する道を選んだあおい。

勤勉な彼女が先生の道に進むことは予想の範囲内でしたが、まさか自分から親友と離れる決断をするとは思いませんでした。それも誰より早く。

殻を破れないところのあったあおいが、織姫学園長の予見していたスターライト学園の柱へとなりつつある姿に心を打たれました。

余談になりますが、あおいがアメリカに行くことを話したい時、いちごが「何でも聞くよ。いつでもね。」と返してくれるシーンは良かったですね。自分が忙しかったとしてもあおいの話は聞くつもり。きっと49話であおいがいちごの大切な話を聞くことを後に回し、お互い少し悔やんだからこそ生まれた台詞なのでしょうね。

 

蘭の選んだ道

あおいは自分の学んだことを人に教える道を選びましたが、蘭は自身の表現の幅を広げるべく役者の道を選びました。

一瞬の世界で表現するモデルから役者へ。これまでも珠璃など役者のアイドルは描かれてきましたが、その動機が役者に憧れているからではなく、その姿を見たファンに何か与えたいからというファンありきなのは、新鮮で興味深いですね。

新鮮と言えば、役者を志す今の蘭にはこうなりたいと思える明確なロールモデルがいないんですよね。蘭に限った話では無いのですが、その点にも驚かされました。

神崎美月に代表される憧れた人に追い付く。それがアイカツのメインストーリーと言っても過言ではないのですが、本作品ではそれよりも自分の中にやりたいことを見つける要素が強く出ていたように思います。

この「星空のフロア」の歌詞を除けば美月さんが殆んど関わらないところに、いちご世代の新しいスタートを感じました。

 

いちごの選んだ道

次に会う時が楽しみなアイドルになる。好きな人と離れ離れになることは寂しいけれど、その代わり次に会う時は今までより楽しみになり、その感情は自分が前に進む為の元気にもなる。

トップアイドルのいちごにその道を示してくれたのは、友達であるあおいと蘭でした。この事実だけでお腹が膨れてしまうくらい良かったですね。

ソレイユを一時休止するような道を選んだあおいや蘭の姿を見て引き止めるどころか、むしろ次に会う時が楽しみになると肯定的に受け止め、更には自分も彼女達のようになりたいと答える。

アイカツ」の主人公に選ばれる器の持ち主だけあってどこまでも真っ直ぐですね。星宮いちごというアイドルの魅力を改めて見せられたような気がします。そんな彼女が来年春には一体どれ程パワーアップしているのか、ラストシーンで空を飛ぶ7羽のように卒業する7人のライブの公開が今から楽しみです。

いちご「今ある思い出だけじゃないよね。思い出は未来の中にもいっぱいある。いつかまた3人で探しに行こう!」

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