- 作者: 佐島勤,石田可奈
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2015/05/09
- メディア: 文庫
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達也と深雪の場合はそれは何とか出来るみたいなので、結婚したいなら世間の常識なんかは無視しても構わない。そもそも「魔法科高校の劣等生」は既存の価値基準では劣等生扱いされる有能なキャラが実力でそれらの評価を覆す作品なんですから、達也と深雪の結婚に関しても既存の価値観に縛られずに結果を出して周囲の意見を変えて認めさせる方が「魔法科高校の劣等生」らしいと言えます。
兄妹が結婚するという話を聞けば倫理的に問題があるから駄目だと言い出す読者は必ず現れてしまいますが、大量虐殺をしてきた達也にそれを言うのは今更感がありますよね。倫理的に善い悪いかでしか物事を評価出来ないとしたら、この作品の面白さは大幅に損なわれてしまいます。固定観念に囚われていると作中で達也の実力を否定する連中みたいに目が曇り、作品に対しても正当な評価が下せなくなるので注意が必要ですね。
伊藤計劃先生の「ハーモニー」の様に読者には理解出来ない価値観が世界を支配するのはSFでは日常茶飯事ですし、そうした視点から見れば達也と深雪が結婚するのはむしろ自然な展開と言ってもいいと思うのですがどうでしょうか。実際に結婚するのかは媒体による制限だとか作者が書きたいものにもよりますから、最終的に達也と深雪の関係がどうなるかはまだ読めないですけど、個人的には結婚して「俺妹」が辿り着けずに終えたものを見せて欲しい。ライトノベルではそうした展開は常識的に考えたら無理ですけど、この作品ならそんなつまらない常識を覆せるかもしれません。
- 作者: 伊藤計劃,redjuice
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/08/08
- メディア: 文庫
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作品を読んでないと分からないかもしれませんが、そんな風に自分で勝手に妄想した設定を入れなければ、説明がつかない程の美少女なんですよ。神に愛されているか悪魔と取引しないと得られない美しさと言われたり、生身の人間である事を忘れさせる神秘的な美貌と言われていますから。長年疑問に感じていた深雪のあの美少女設定の謎がついに明かされた瞬間が、最新刊の中では最も楽しいと思えました。あれだけ丁寧に優れた容姿を持つ理由とそれが必要になる理由を長々と説明した作品は、世の中に殆んど存在しないのではないでしょうか。