「ガッチャマンクラウズインサイト」クラウズが廃止された世界はどこに向かうのか

「GATCHAMAN CROWDS insight」Vol.1　Blu-ray

クラウズが廃止されると困るのは誰か
ゲルサドラはマニフェスト通りにクラウズを廃止すると思いますが、それが日本社会にどの様な影響を与えるのか気になりますね。ＶＡＰＥが起こした渋谷テロの所為で、現状ではクラウズが危険だから廃止しろという考えが多数派になっていますが、時間が経ちクラウズがない生活の不便さに気付けば、クラウズを使わせろという空気にまた戻ると思います。

クラウズは悪用されると危険なのは間違いありませんが、役に立つというのもまた間違いではありません。クラウズがあれば福島原発等の危険地帯での作業が行えますし、女性でも重労働が容易に行えるようになりますし、身体の不自由なお年寄りも自由に動けますから、クラウズが廃止されると不利益を被る国民は大勢現れます。少子高齢化による社会福祉費用の増加と若年層の負担を解決する為にもクラウズは将来的には求められると思うんですよね。

それらの問題がマスコミを通じて広範囲に認識されると、今度はクラウズに使用を認めという風に世間の空気は変わり始める気がします。クラウズの廃止により起きる問題は予測可能なんですけど、国民の何割かはその場の空気に流されあまり考えずに行動しますから、クラウズが廃止されるまではそうした問題が起きるとは多分考えようともしません。
そんな考えようとしない国民はクラウズを廃止して起きた問題を目の当たりにすると、脊髄反射的に先程までとは反対の意見を安易に主張すると思います。先の先まで予測する理詰夢なんかはそうなりませんが、翼みたいに直感で生きているとそうなる危険が高い。

この作品が強大な力は必要か否かを主軸とせずに、空気に流され考えられないという日本社会の問題点を物語の主軸にしているとすれば、世論が一貫性を持たずに状況に応じて変化するところは描こうとするはずなので、クラウズに対する世間の考えは否定的なものからまた肯定的なものになると思います。
そうした方向に誘導しようとする役割を担うのがミリオになるのではないかと考えています。ミリオは自分の番組にいると都合の悪いＯＤを切り捨てようとしていますが、その異なる価値観を持つ者を消そうとする行為は作品的に否定されそうです。

クラウズをもう一度使わせるのか
憶測に憶測を重ねてしまいますが、クラウズを必要とする国民が多数派になったとして、そこからどうするのかという問題は残されています。クラウズを廃止以前と変わらず使えるようにするだけではクラウズの危険性は一切消えませんから、クラウズを悪用した人間を即排除するとか悪用出来ないような改良が施されるといった対策がされると思います。ゲルサドラが首相の座に居座るならそれ位はしてもらわないと困りますね。

個人的にはＯＰに登場している三色の変な奴がその改良されたクラウズになると予想しているのですが、そもそも改良が必要になるという予想が当たるのかどうか怪しい。まあかなり妄想の域に突入しているので、興味の無い方は聞き流して下さい。展開予想は的外れとか批判されるかもしれませんが、そうした楽しみ方が出来るのは完結していない作品の魅力だと思いますし、とりあえず思い付いたから書いておきます。