アニメごろごろ

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「黒子のバスケ」影という役割から外れた努力の無意味さ

この発想はなかった!
いやまあ前々からフラグは立てられていたので、予想出来てはいたんですけどね。それでも実際に見ると中々衝撃的なものがあります。
一人では何も出来ない代わりに影の薄さを利用して仲間のサポートで大活躍していた黒子が、自分自身を強くして一人で活躍出来るようになった所為で最大の武器である影の薄さを無くす。これかなり残酷な展開ですよね。
仲間と一緒に勝つために努力して強くなろうとするという動機は素晴らしいものなはずなのに、それが見事なまでにマイナスに作用してしまう。黒子なりにどうすればチームの役に立てるかを考えて行動してきたのに、それが強敵との戦いという重要な場面で間違いだと気付けば精神的にはかなり来るでしょう。
3Pシュートだけに拘り続けてきた緑間みたいな努力の仕方をしていれば、こうはならなかったんじゃないかなぁ。

暴走した火神を止めたりキセキの世代を更生させたりと黒子のやることは正しいという空気が今迄はありましたが、ここに来てそれを崩してくるとは…藤巻先生は只者じゃないな。さすがに冨樫先生が認めるだけのことはあります。
光を際立たせる影が目立てば、光と影の両方が駄目になる。こういう展開になっている訳ですが、これを連載初期から予想しようと思えば出来るというのがまた凄い。
どうして凄いかというと連載初期からこれが予想可能ということは、最初からこういう展開を作れるだけのキャラが立っていることの証だからです。一人では弱くて役に立たないけど仲間と一緒だと影の薄さを活かして活躍出来る主人公という設定だけでも斬新で面白いですけど、その設定を逆手に取り強くなると逆に目立って活躍出来なくなるという衝撃の展開を作り出すあたりキャラの動かし方が非常に上手いです。

努力して強くなって強敵を倒すとまた新しい強敵が現れ、それも努力して強くなって倒していくなんてことを繰り返していると、全国大会では主人公チームも相手チームも化物みたいな強さになることはジャンプ作品では日常茶飯事。それが「黒子のバスケ」ではまさかの主人公弱体化ですからね。
黒子が新技を幾つも覚えてインフレが加速していきマンネリ化してくるかなと思ったところで、それまで黒子が積み上げてきた努力をぶっ壊してその存在意義すら否定する。ジャンプの掲げる友情努力勝利の三本柱をしっかりと押さえてきた「黒子のバスケ」がまさかの努力否定とは…。
ここからどうするのか気になります。