アニメごろごろ

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「アイカツスターズ」白銀リリィと二階堂ゆずの永遠の絆

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永遠。その時を表す言葉は作品の壁を越えて、アイカツシリーズのゴシックアイドルに受け継がれてきました。彼女達の在り方を語る上で「時」は切っても切れない関係にあるでしょう。

 

ユリカ「永遠に続く未来 今僕を照らせ」

スミレ「trois・・(永遠)甘い予感 かさねてしまう」

さくや&かぐや「永久にリンクするルート 視界は冴え渡って」

 

ゴシックアイドルの始祖たる藤堂ユリカは不老不死の吸血鬼。スペシャルアピールのクロックサーカスには時計が出現します。

氷上スミレはステージに咲く氷の華。その華は悠久の時を経ても枯れることはありません。

白百合さくやのステージは巨大な時計が時を刻み、白百合かぐやのスペシャルアピールは割れた鏡の時を戻します。

永久凍土が広がるツンドラの歌姫こと白銀リリィ。彼女もゴシックアイドルの例に漏れず、時と縁の深いキャラクターでした。

 

何てコトない毎日の価値を知るリリィ

見る者に元気を与えるアイドルでありながら、病弱で夏場は療養しなければならなかったリリィ。平穏な日々を送ることさえ叶わず、復学して授業を受けていても、体調不良で見学する場面が時折ありました。

冥界を司る神の名を与えられたツバサに選ばれるだけあって、リリィは他の人より死に近いアイドル。

病気に苦しみ休んでいた経験から、同年代の子供と比べて命の儚さ、人生が有限であることを深く知っています。リリィにとって立ち塞がる壁は、才能ではなく時間でした。

 

リリィ「私を不安にさせているとするならば、それは時間です」

 

26話の久し振りとなるステージでは、練習時間が足りないことに不安に感じ、39話のデザイナーオーディションでは、体調を整える為に時間を奪われていました。大半のアイドルなら当たり前にしていることが、リリィには出来ませんでした。

折れた翼を見つめても元には戻らないので、残された時間で自分に出来ることを考えなければなりません。リリィは周囲が羨む程の強烈な個性を持ちますが、その人生は恵まれているとは言えませんでした。何故ならリリィの個性は普通に生きられないハンデにより、育まれてきたものでもあるからです。

病弱で人前に姿を現せない期間も長くなりがちなリリィにとって、一回一回のステージは自分を支えてくれた人に恩を返す大切な時間。

大切であるからこそ、手を抜く訳にはいきません。そのステージに向き合う時の覚悟は、口上にも反映されていました。

 

リリィ「白銀リリィ、この一時に魂を込めて」

 

体力を大幅に消耗する「Dreaming bird」の激しいダンス。自分を支えてくれる人達に感謝と感動を渡す為、ステージを人々の記憶に残す為、リリィは全身全霊で挑みます。その一瞬が永遠に胸に刻まれるように。

 

永遠に語り継がれるリリィの生きた証
1年目のリリィは自身のブランドを手に入れ、ゆずと一緒のステージに立ち、夢を叶えてきました。惜しくもS4となってプレミアムレアドレスを纏う夢は散ってしまいましたが、エルザのステージを目の当たりにした後、新たな目標に向かって進みます。

 

リリィ「時を経てもなお、輝き続けるドレスを作りたいと思っていました」

 

永遠に輝き続けるドレスを作るという夢。その鍵となるスタープレミアムレアコーデを手に入れる手段として、リリィはプレミアムレアドレスの封印を解く決心をします。

その行為はかつての自分の言葉を曲げることであり、決断する迄に思い悩んだかもしれません。けれども、過去に縛られていては夢は叶わないでしょう。

S4戦でひめ先輩の「夢は見るものじゃない、叶えるもの」というメッセージを受け取ったリリィは、新たな一歩を踏み出します。

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プレミアムレアドレスと共に披露されたtzk作詞の新曲「荒野の奇跡」。歌詞には自身の身を削りながら、いつか生まれる生命に向けて、流行に左右されないドレスを残そうとするリリィの生き様が歌われていました。

 

リリィ「ドレスに誓う永遠の輝きを」

 

序文で述べた通り、ゴシックアイドルらしく「時」を意味する要素が「荒野の奇跡」にも取り入れられており、ステージ中央には時計を構成する歯車が置かれています。

 

「ニテノミキハツセンデリタガノモノケダミキ」

 

君だけの物語、伝説は君の手に。視聴者の頭を悩ませたと思われる逆再生。その意味は繰り返される生と死、歌詞にある「終わらない物語」の同義語ではないかと解釈しています。天使が雨を降らせても大地は渇く、それが何度も起きる為に歌詞も巻き戻るのでしょう。

 

「誰もがいつの日か土へと還る」

 

天使にも花にも鳥にも終わる時が来ます。それは病弱なリリィも健康なゆずも変わりません。誰も死から逃れられないのであれば、自身に問い掛けるべきは土に還る迄に何を残したいのか。そこで天使は荒野に奇跡を起こす為に抗います。

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「荒野の奇跡」では天使が雨を降らせたとしても、大地を照らし出す太陽が渇かしてしまいます。その光景を見た者の目には、42話でリリィがゆずと組む時に危惧した様に、太陽(ゆず)と天使(リリィ)の相性は悪く思えるかもしれません。

しかし、その認識が誤解であることは、舞組に属するゆずの比喩となる「風」が歌の中で証明しています。歌詞を読めば分かる通り、天使は風に助けられてきました。

 

「風よ吹け雨を呼べ」

「風にのりどこまでも響いていくその歌」

 

風が吹かなければ、雨を降らせる雲も天使の歌も流れない。その様子はリリィとゆずの関係と似ています。書を捨て街へ出よ。デザインで行き詰まるリリィをゆずが風の如く外に連れ出したからこそ、プレミアムレアドレスは完成しました。

自分の夢は自分の力で叶えるもの。そうリリィが思い込んでいたのは、39話のブランドを立ち上げる迄の話。今のリリィは荒野に奇跡を起こす為、風を求める様になりました。そうした心境の変化が歌詞から感じ取れます。

 

孤独を望んでしまう女の子

リリィに欠けていたもの。それは健康な身体ではなく、他者に寄り掛かる覚悟でした。恐らく、幼い頃から病弱で大勢に迷惑を掛けてきた境遇も関係しているのでしょう。リリィには自立しなければならないという意識が人一倍ありました。

それ故にデザインや勉強など得意な分野では快く力を貸してくれますが、逆に人の力は自力で解決する自信があるので借りません。39話でゆめとローラが恩を返そうとしても、一度は断っています。

また不得意な分野では足を引っ張る真似はしたくないからという理由で、協力を拒否する姿も見られました。リリィが一緒に進学したいと言ったゆずを突き放す理由も上記に集約されるでしょう。

無力な自分が側にいるせいで、幼馴染の未来を閉ざしてはならない。相手を大切に想っている故に、自ら身を引こうとしていました。健気な姿に胸が締め付けられますね。

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聡明なリリィのことですから、私達より先の先まで見えているでしょう。自分の能力の限界や持病が悪化する等の様々なリスクを考えた末に、その結論に辿り着いたと思われます。きっと簡単に覆す様な安いものではないはず。

それにも関わらず、リリィはゆずの正直な言葉に心を動かされ、一緒に進学する決心をしています。そこに一体どれ程の巨大な感情が込められていたのでしょうか。考えるだけで、こちらも感情が込み上げてきます。

そうして結成されたユニット「ゆずっとリリィ」。永遠を意味する「ずっと」の言葉の奥には、死が二人を分かつまで、何が起きても共に生きる意志が宿っていることでしょう。

立ち塞がる障害に足を止めることなく、本能が命じるまま猪突猛進に突き進む。ゆずとリリィが選んだアニマる生き方は、愛らしい言い方に似合わず、相応の覚悟が求められるものに違いありません。

世間からは無謀に受け取られるかもしれませんが、後先を考えていないからこそ、その行動は純粋で綺麗に輝いて見える。ゆずっとリリィ、最高のフレンズですね。

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