アニメごろごろ

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アニメキャラの髪のハイライトの種類と流行

アニメキャラの髪のハイライトに関する話は既にukkahさんが素敵な記事を書かれているので、わざわざ自分のブログでやる意味は大して無い気がするのですが、自分の視点で幾つか書いておきたい事もありますし、最近書いていないアニメの記事を増やす意味でも書いておこうと思います。

アニメキャラの髪のハイライトの表現 主に輪郭光について - OTACTURE


帯型
太めの横線でハイライトを入れる。おかっぱなど髪の先端が刺々に描かれない切り揃えられた髪型に使われやすいですね。「Kanon」はハイライトを緩やかな曲線で表現していますが、波の様に揺れた曲線で表現する場合もあって、「天地無用」の阿重霞なんかはそうした描かれ方をしています。画像を見れば分かると思いますが、後述の弧型と違い太さが途中で急に変わるのが特徴。



雷型
ガンダムSEED」や「フルメタルパニック」では雷の様に折れ曲がるハイライトを入れています。90年代後半から00年代前半はこの雷型と帯型、又はその両方を組み合わせた型が主流。組み合わせ方は帯型の途中から雷型に変わるものと雷状の細かいギザギザを持つ帯型のものの2種類。

前者には「ロストユニバース」や「東京ミュウミュウ」や「魔法少女リリカルなのは」、後者には「機動戦艦ナデシコ」や「まもって守護月天!」が該当します。ちなみにこの頃のアニメはまだ回によって絵柄が変わる事が非常に多い為、ハイライトの入れ方もまちまちで厳密にどれがどうとか分類する事は出来ません。



弧型
00年代から使われ始めた弧型。この三日月にも似たハイライトは「魔法少女まどかマギカ」の様に片側だけに入る時もあれば、「ストライクウィッチーズ」の様に両側に入る時もあります。これらはデフォルメ度の高い頭身が低めの萌えアニメで主に見られます。雷型や帯型と比較すると描き易い。00年代は「あずまんが大王」や「涼宮ハルヒの憂鬱」など帯型と弧型の中間に位置するハイライトの入れ方が見られましたが、10年代にもなると帯型に見られた波線は廃れて、弧型に見られる綺麗な曲線が中心になりました。



線型
細い線を髪の流れに沿って何本か入れる。「ジョーカーゲーム」や「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」など頭身が高めのアニメに見られます。弧型を帯型の進化形とするなら線型は雷型の進化形。「ガンダムSEED」の髪の端から端まで入れられた派手なハイライトから、「コードギアス」の小さな複数の雷型のハイライトに移り変わり、「ラブライブ」の細い線を入れるだけのハイライトに行き着いた。大きな流れはその様な捉え方で良いかなと思います。

弧型と線型の両方に言えると思いますが、最近はハイライトの部分を減らす方向に動いているみたいですね。「スレイヤーズ」を筆頭にデフォルメが行き過ぎた90年代を終えてから、キャラデザは全体的に瞳の大きさも瞳の光の量も縮小して顔の輪郭もリアルに寄せていたので、髪の方もそれに合わせて過剰に光らせるのを止めたのではないでしょうか。



楕円型
近年増え始めたハイライトの入れ方で「ドキドキプリキュア」や「閃乱カグラ」はこれですね。ハイライトが丸みを帯びているおかげでキャラの柔らかな可愛らしさを損なわない。萌えアニメは将来的にこちらの方に進む気がします。ちなみにプリキュアシリーズは新しい時代に適応する為に流行を取り入れているので、ハイライトの変化を簡単に知りたい場合はこちらを眺めるといいですよ。



グラデーション型
ハイライトを入れずに髪全体にグラデーションをかけて、ハイライトを入れた時と同様に髪全体に立体感を出させる。これはufotableお家芸ですね。ufotable以外の制作会社も最近はグラデーションをかけるのが当たり前になってきていますが、大抵はufotableと違いハイライトを入れた上でグラデーションをかけています。

この手法を10年位前から積極的に用いていたのが「ef - a tale of memories.」の大沼心監督と下記のいずみのさんの記事でも語られている「月詠 MOON PHASE」の新房昭之監督。これの歴史に触れる際には大沼監督に影響を与えた新房監督の存在は外せないのかなと個人的には思います。

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基本的にハイライトの入れ方は作品毎に決められていて、髪型が近いキャラなら同じ入れ方をするんですけど、「クロムクロ」などこれに当て嵌まらない作品も作られています。「クロムクロ」のハイライトは線型なのですが、例外として由希奈と洋海とムエッタは切れ目のある弧型。

由希奈と母親の洋海が弧型なら血の繋がり的に妹の小春もそうなるところですが、不思議な事に何故か小春は他のキャラと同様に線型をしています。洋海と由希奈のハイライトが同じ形状である事に親子関係を表す以上の意味があるとしたら、由希奈が洋海を元に作られたクローンや別世界の自分という可能性はあるかもしれません。万が一そうだとすると1話の台詞が意味深に思えてきますね。

担任「お母さん、娘さんをあなたと同じだと思わないで下さい」

由希奈「頑張ってどうにかなるとは思えない」
洋海「大丈夫、あなたは私の娘なんだから」

由希奈「私を育てたのは叔父さんだよ」
洋海「親の心子知らずよね」

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