「アイカツ!」の売上は本当に悪いのか
バンダイナムコの決算短信が発表されましたね。「アイカツ!」のグループ全体の上半期実績は、16億と前年同期実績の20億から約20%の減少となりました。
この事実は決して喜ばしいものではありませんが、そこまで騒ぐ程の悪い数字でもありません。というのもバンダイナムコの計画値と比較してみると予想の範囲内なんですよね。
グループ全体
上半期計画17億
上半期実績16億(計画値-1億)
国内トイホビー
上半期計画12億
上半期実績10億(計画値-2億)
確かに玩具、アパレル、文具、生活用品等を含む国内トイホビー売上は苦戦しているものの、グループ全体売上は計画から大きく外れていません。
グループ全体になると差が2億から1億に縮んでいることから、国内トイホビー以外は計画よりも好調と言えるでしょう。これは見るべきポイントだと思います。
「アイカツ!」を続ける意味
「アイカツ!」は同じ女の子を対象にした「プリキュア」に売上で大差をつけられており、商業的に価値が低い様に思われるかもしれませんが、その点だけで単純に判断するべきではありません。
「アイカツ!」には他の多くのコンテンツが持っていない魅力があります。それはバンダイナムコが主体となっているコンテンツであるということ。
グループ内でゲームからアニメまで手掛けている「アイカツ!」は、リスクが大きい代わりにリターンも大きい。最初の画像を見て頂ければ分かりますが、国内トイホビー以外では「プリキュア」より何億も売上を出せています。
バンダイナムコの所有する権利が多い為に、ヒットすればグループの力を活かして様々な分野で利益を上げることが可能な「アイカツ!」。そこには集英社も任天堂も東映もレベルファイブも関与しません。その意味で戦略が立てやすいコンテンツです。
「アイカツ!」を辛口で評価した場合、3月末までに30億に届くか微妙な状況であり、再来年に終了しても不思議ではありません。個人的には「アイカツフレンズ」で終了してしまう不安が拭えませんが、上記の事情からバンダイナムコとしても残しておきたいコンテンツではあるものと思われます。
タカラトミーアーツの「プリパラ」や「キラッとプリ☆チャン」に押されて売上が低下したとはいえ、貴重な女の子をメインターゲットとしたコンテンツ。まだまだ捨てるには惜しい。
数ヵ月前に「アイカツフレンズ」での声優デビューを確約するミラクル声優オーディションが開催されたことから、恐らく当初の計画にあった35億の売上が維持されるようであれば、当面は打ち切ることなく次に繋げるつもりなのでしょう。
ミラクル声優オーディションは50億や100億ではなく、35億の売上を目標にしている中で立ち上げられた企画。ここ、重要です。
ファンの力が試される時
今は「アイカツ!」が続いていくかどうか、その分岐点に差し掛かっています。ここで計画値を無事に越えることが出来れば、経営的に評価は上がり再び輝くチャンスも掴めます。
売上は上半期で16億に到達しましたので、下半期で必要になるのは19億。一人一人のファンが買い支える意識を持てば、この金額は十分に達成が可能な範囲。後5ヵ月でどこまで伸ばせるか、ファンの行動力に期待ですね。