アニメごろごろ

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アーチャーが救えるのはイリヤと慎二のどちらか片方だけ

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ルートが変われば聖杯戦争の犠牲者も変わる
桜が暴走して大勢の犠牲者を出してしまう桜ルートと異なり、セイバールートと凛ルートではキャスターやライダーの所為で意識不明になる一般人はいますが、死者数は両方とも少なく殆んど変わりがありません。死傷者に関する差異として挙げられるのは、間桐慎二が殺されるかイリヤスフィールが殺される位なんですよね。興味深いのは慎二とイリヤの死因には密接な関係があるところ。

セイバールートでは慎二はビルの屋上でライダーをセイバーに倒され、その場から逃げ出した後にイリヤに襲われ殺されます。ここでイリヤが戦意喪失した慎二を殺すのは残酷だなと思わないでもないのですが、メタ的に見ればここで慎二を殺すのは自分の身を守る為には絶対に必要です。そうしなければ凛ルートの様に慎二は教会に逃げ込み言峰からギルガメッシュを譲り受け、慎二と行動を共にするギルガメッシュイリヤを殺しに来ます。

言峰がイリヤを手に入れようとする場合は命までは奪われないのですが、ギルガメッシュイリヤを手に入れる場合は心臓だけを抜き取るので絶命は免れません。慎二とイリヤの関係は互いに殺し殺されるものなので、助かるには相手にやられる前にやるしかありません。

それが無理なら天敵の慎二とギルガメッシュの両名を葬り去る最強の桜に期待するのがいいでしょう。桜ルートで慎二とギルガメッシュを殺した桜が幸福を得られたのは、彼らに殺されるはずのイリヤが生き延びて士郎を救済したからと考えると、間接的に桜に救われた側が最後に救う側になるわけで構造的に見事にはまりますね。


イリヤルートと慎二ルートの分岐点
イリヤと慎二のどちらが殺されるのか運命の分岐点となるのはアーチャーの行動にあると思います。セイバールートでは慎二は士郎と学校で交戦した後に逃走、屋上で再戦して敗北したところをイリヤに殺される。凛ルートではその前の学校で士郎と交戦するより先に慎二は葛木にライダーを倒され、それにより教会に逃げ込む時期が早まり殺されずに済みます。

もしもアーチャーがキャスターを柳洞寺で倒しておけば、葛木は聖杯戦争に参加する動機を失いますからライダーを倒したりもしません。アーチャーの大勢を救う為に少数を切り捨てる方針が、キャスターを生かして巡りに巡って身内であるイリヤの死に繋がるんですよね。イリヤを傷付けないようにしていたのにこの結末。

アーチャーが仲間を裏切るなど非情な決断をしていた凛ルートと仲間の為に命を懸けて戦い抜いたセイバールートとでは、イリヤと慎二のどちらを救えるかが変わるだけで犠牲者の数は大差無いというのは何だか虚しい。誰かを救うということは他の誰かを救わないこと。個人的にはイリヤと慎二のどちらかしか救えないのであれば、アーチャーにはイリヤを選んで欲しいですね。