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「魔法科高校の優等生」美形を美形として描いた森夕先生

漫画では美少女もそうでない少女も皆似たような顔で描かれることが多々あります。女性キャラの可愛さが売りとなる男性向けの作品では読者が可愛い女の子ばかりを見たがり、それに応えようとする作者があえて描き分けをせず、容姿に関する設定を無視して全員平等に美少女顔にしてしまう傾向があります。

そうした読者の要望を無視して物語を演出する際に必要かどうかで顔の描き方を変える漫画家が「スクールランブル」の小林尽や「魔法科高校の優等生」の森夕先生。森夕先生が絶世の美少女の深雪だけをやたらと綺麗に描いているという話は「ピアノファイア」のいずみのさんも書かれています。

絶世の美少女を描く説得力/森夕『魔法科高校の優等生』1巻 - ピアノ・ファイア

森夕先生は仕事が速い方ではないのか、殆んどのコマでは全力を出せずにいますが、深雪の人間離れした美しさを強調したい場面では普段の何倍も気合いを入れています。下の画像を見てもらえば分かると思いますが、深雪だけ細部まで描き込まれています。他の美形のキャラも丁寧に描かれていることはありますが、深雪はそれらとは別格で明らかに贔屓されているんですよね。これには黒髪ロングストレートが大好物な森夕先生の深雪愛を感じます。

他のキャラよりもツヤベタやトーンを多用して艶やかな髪を表現。睫毛は太めの線を一本描いて終わりにせず細かい線を描き足し、上睫毛と下睫毛を伸ばして美少女度を上げる。細い髪を何本か垂らすことにより、髪が束にならないさらさらとした髪質を演出し、ロングストレートの魅力を最大限に発揮させる。参考画像を何枚か用意したので、何を言っているのか分からない方はそちらを見て下さい。多分見ていると私の言いたいことが感覚的に解るのではないかと思います。美形に見える描き分けについては、達也と深雪を比べると一目瞭然ですね。

森夕先生は深雪を絶世の美少女として描写する以外にも、キャラをコマ枠の外にはみ出させて全身を映そうとする特徴があります。この技法は大コマを使わずにキャラを大きめに描けるのが利点。読者が見飽きた制服ではない格好をさせている時には森夕先生はこれを頻繁に用います。まだまだ読み込みが浅いし時間も掛けられていないので大した事は書けていませんが、丁寧に読み込めば森夕先生が表現したいものを読者に印象付ける為に用いた細かい技巧がまだまだ沢山見えてきそうですね。

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