アニメごろごろ

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ロボットアニメOPの演出の変遷


70年付近のロボットアニメは主人公の操るロボットの格好良さを表現する事に重きが置かれ、ロボットが必殺技を放ち敵を倒す姿ばかりが描かれていました。歌詞もロボット名を連呼したり、必殺技名を叫んだり、悪役を倒せみたいな内容が多いですね。歌詞からも勧善懲悪ものが主流の時代であった事が伝わります。

主人公を支える司令官や博士等の非戦闘員の姿はほぼ見られず、登場するのは主人公と仲間のパイロットと悪の親玉位なもので、「マジンガーZ」と「宇宙魔神ダイケンゴー」なんかは主人公の顔すらまともに描かれません。この時代はロボットアニメに限らず全体的にこうしたメインキャラ以外は出さない傾向がありました。その事は昔と今の「ゲゲゲの鬼太郎」のOPを見れば一目瞭然。


リアルロボットの先駆けとなった79年の「機動戦士ガンダム」がこの流れを変えました。主人公機となるガンダムの他にもザクにガンキャノンガンタンクと何種類ものロボット、さらにパイロットではない主人公の仲間までが登場します。これは群像劇の「ガンダム」に相応しい演出と言えますね。80年代はキラキラと光らせる事がオシャレとかハイテクなイメージがあるのか、キーボードやら夜の街やら色んなものが輝いています。

この時代には女性歌手が歌う機会が増えたり歌詞に英語が使われたり「サイコアーマーゴーバリアン」や「機甲創世記モスピーダ」のように歌詞にロボット名が入らないOPも多数作られます。80年代半ばにはロボットアニメのOPならこうあらねばならないみたいなお約束は消えて表現の幅が広がりました。87年に放送された「赤い光弾ジリオン」はIGや京アニのスタッフが手掛けているだけあって、OPの質が非常に高いので興味があれば視聴する事をお薦めします。


88年の「魔神英雄伝ワタル」以降に子供を主人公にした作品が増えた影響もあるのか、90年代前半は「元気爆発ガンバルガー」でも「NG騎士ラムネ&40」でもそうなんですが、子供らしい元気さと明るさを感じさせる演出が随所に見られます。主人公達が街中を遊び回るとか、勉強や仕事をしたりと平和な日常が描かれるのも特徴。

90年代後半からは「新世紀エヴァンゲリオン」に「天空のエスカフローネ」に「無限のリヴァイアス」に「ラーゼフォン」とロボットが10秒にも満たない短い時間しか映されないOPが幾つも作られます。00年代に突入してからは「鉄人28号」から長年受け継がれてきたビーム発射音などのSE付きのOPは急速に数を減らします。70年代と比較するとロボットとキャラの出番は完全に逆転しました。


機動戦士ガンダムSEED」で認知度を上げたと思われるロボットを背景にそれを操縦するパイロットを映すのは「鉄のラインバレル」に「革命機ヴァルヴレイヴ」に「キャプテンアース」とその後も時々用いられる息の長い演出ですが、これは歴史は古く85年の「超獣機神ダンクーガ」には既に用いられていました。その時にはあまり流行らず真似をする作品は少なかったみたいですね。