- 作者: 相田裕
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子供は大人より精神的にも肉体的にも未熟であり、現代社会においては保護対象である。先の短い大人と違い将来の夢も沢山持ち、それを実現する可能性を内包している。女性である少女は少年と違い肉体的に弱いこともあり、古来より戦闘行為から遠ざけられてきた。また少年よりも活発に動き回らないことから、弱さをさらに感じさせ庇護欲を誘いやすい。
夢、純心、未成熟、非戦闘員
これらが少女の持つ属性と言えます。そんな純心無垢で可愛らしい少女が命懸けで敵と殺し合う運命を背負わされ、普通の少女と程遠い生き方をさせられ魂が穢される事により、それを強いる世界の残酷さが強調されて作品の悲劇性を高めると考えています。殺し合いなんかとは縁のない少女に殺し合いをさせるからこそ意味がある。
これが男性である少年の場合では戦闘行為は狩りの延長ともいえるので、生物的にも歴史的にも比較的自然な行為ですし、少年が戦うのは少年漫画や子供向けアニメといった物語世界に溢れ常識になっていますから、「少年なのに戦わされてしまい可哀想」といった悲劇性はやはり少女よりも弱いと言えるでしょう。男女平等が進む現代社会では少女も活発に動き回り相手を殴り倒したいという気持ちも抑えない方向になるので、その需要を汲み取った「プリキュア」みたいな作品も作られてはいますが、それでも未だに少女は少年と比較すれば戦いから遠い存在です。
この様に男女で求められる役割が違うと少年であるシンジが「僕はエヴァに乗りません」とか言い出すと周囲や視聴者から「男の子ならうじうじしてないで戦え」なんて厳しい要求をされたりするんですよね。もしシンジが美少女だったら視聴者の反応も変わっていたはずです。まあそこは想像でしか無いですけどね。まあそんな話は置いといて、老若男女の中で少女が最も戦いの悲劇性を高める効果を持つ理由は、これで伝わったと思うのですが如何でしょうか。
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これが中年だとそうはいかないんですよね。長期間働かず生きていただけで社会からは役立たずのゴミ扱いされるので、まともな会社に正社員として就職するのは想像を絶する程に難しい。同世代は結婚して新しい家庭を築いたり、出世して稼いでいるのに自分は何も出来ていない。人生取り返しのつかないところまで来てしまったことの後悔、そんな行き詰った人生はまだ何十年も続いてしまうという恐怖。現実に対する閉塞感と絶望感が出るのは大体この辺りなんじゃないかなと思っています。
N・H・Kにようこそ! ネガティブパック<オリジナル無修正版> 第1巻 [DVD]
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