アニメごろごろ

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アニメのクレジットタイトルの種類

アニメにおけるクレジットタイトルの入れ方には幾つか種類があります。一番多いのがクレジットを横書きで表示して次々に切り替える方法で、大半のアニメはこの時に出来る限り登場人物の姿とクレジットが重ならないようにしています。クレジットは表示しなければなりませんが、OPとEDの魅力を削がない様に極力目立たないよう工夫します。

これを無視して遠慮せずに思いっきり被せてきたのが「氷菓」ですね。ちなみにクレジットは横書きではなく縦書きになっています。古典部を描いた「氷菓」や競技かるたを題材にした「ちはやふる」といった和風であったり文系要素のある作品では縦書きになり易いようです。

これ以外には映画なんかでは定番になっているスタッフロールのものもあります。「化物語」がこの形式なんですが通常のものとは少し変わっていて、クレジットが下から上に流れずに上から下に流れています。この文字を上から落とすことによって、歌詞にある「夜空は星が降るようで」の降る動きを表しているのでしょうね。

上記のものよりもOPとEDの魅力を阻害しないように考えられた表現として「変態王子と笑わない猫。」等に見られるクレジットと映像を切り分ける方法があります。この表示方法は基本的に動きの少ないEDで見られますね。分かり易いように最近の作品を挙げましたが、この表現自体は数十年前から使われている歴史の長いものです。

先程のクレジットを分離させる方法とは別方向に進んで生まれたのが「進撃の巨人」に見られるクレジットを背景と馴染ませる方法です。斜めに物体が動いているのであれば、それと同方向にクレジットを表示する。ここでは映像を見ている視聴者の視線に合わせることで、クレジットが存在する違和感を減らしています。

ここからさらに進むと「ハートキャッチプリキュア 花の都でファッションショー…ですか!?」にある背景とクレジットを完全に同化させるものになります。「がくえんゆーとぴあ まなびストレート」のOPでもこの表現は使われていますね。これはクレジットが映像において邪魔にならないという点ではほぼ完成された表現だと思います。

ここまではOPとEDの魅力を損なわないクレジットの入れ方を紹介してきましたが、それらとは逆に魅力を上げる為のクレジットの入れ方というものがあります。それを行ったのが石浜真史さんが絵コンテを担当した「Aチャンネル」のOPです。

画像を見ると一瞬で分かると思いますが、これってクレジットを入れることを前提にして作られているので、ノンクレジット版にしてしまうと意味を持たない映像になってしまうんですよね。ノンクレジット版が円盤特典として付けられることは多いですけど、この作品の場合はそれにしてしまったら多分価値は無いでしょう。

先程例に出した「進撃の巨人」もそうなんですけど、石浜さんが手掛けたものはクレジットを工夫しているものが多いみたいです。クレジットを入れなければならないのであれば、それを含めて面白い映像を作ろうという姿勢がこうしたものを生み出すのでしょうね。そういえば番組の冒頭と最後に表示される提供画面も最近はこうした工夫が当たり前の様にされてきていますね。イラストレーターや漫画家によるエンドカードや本編で使われる一場面を繰り返し流すことでギャグに転じさせるのとか。