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小説家になろう分析4 評価されるジャンルと流行しているジャンルとは何なのか

ライトノベル業界の中で注目されている小説投稿サイトの小説家になろう。ここでは主人公が異世界に召喚される展開や主人公が物凄い強いという設定のある作品ばかりが投稿されているとネット上では言われています。この事は小説家になろうを利用すれば感覚的に理解出来ると思いますが、本当にそうなっているのかは分からないですよね。ということで小説家になろうの流行や人気ジャンルをデータを集めて調べてみました。

巻き込まれて異世界転移する奴は、大抵チート

巻き込まれて異世界転移する奴は、大抵チート

グラフは半年毎に完結した作品数をキーワードやジャンル別に纏めたものです。何故半年間に投稿された作品数にせず、半年間に完結した作品の数にしたかについてですが、その理由は投稿開始時期を調査する事が非常に困難だからです。小説家になろうの検索では新着順や古い順に表示することも出来ますが、これで分かるのは投稿日時ではなく最終更新日時なんですよね。

これは作者が作品を更新する度に変わってしまい、そんな毎分変化し続ける情報を元にグラフを作ったところで意味は無いので、最終更新日時が変化しない完結済み作品のみを用いました。作者が途中で更新を放棄した未完結作品や連載中作品も含めた全ての投稿開始時期を調べられれば、データの信頼性も高まって一番良いのですが、それはちょっと無理なのでデータに偏りがあることはご了承下さい。それではまず小説家になろうの流行から外れている作品を見てみましょう。


時期によっては減少している作品もありますが、長期的に見ればどの作品も増えていると言えそうです。これは利用者の増加が影響しているのでしょう。小説家になろう知名度を向上させたであろう「魔法科高校の劣等生」と「ログホライズン」が書籍化した2011年。これ以降投稿作品数の伸び率が増えているかどうかですが、少なくともこれらの作品については爆発的に増えたとは言えなさそうです。超能力ものは昔から一定の供給があり「魔法科高校の劣等生」の影響で流行したという事は無いみたいです。あれが累計ランキング一位だった頃には超能力ものはグラフで横ばいになってますし。


次に小説家になろうで流行している作品を見てみましょう。
グラフではチートとハーレムというキーワードを用いている作品がかなり増えています。それだけ見ると今流行しているのはチートハーレムものだと考えてしまいがちですが、ここ三年程でチートやハーレムという言葉が急に使われ始めただけで、そうした要素を持つ作品が昔から沢山あった可能性があることは注意しなければなりませんね。

まあそんなことばかり言っていては何も始まらないので程々にしておきましょう。数年前に異世界召喚よりも異世界転生の方が主流になってきているという話を聞いたことがありますが、グラフを見る限りどうやらその説は正しいようですね。VRMMOは「ログホライズン」が書籍化した頃に一気に増えましたが、その勢いはあまり持たなかったようで最近は微増に留まってます。完結済み作品の数は現時点では流行しているものとそうでないものもあまり変わりませんが、その増加率の変化からすると今後その差は開いていきそうですね。


上のグラフは総合評価ポイントの高い上位5%の長編小説をジャンルとポイントに分けたものです。ちなみに2000ptを超えるには800人前後からのお気に入り登録が必要で、そこまで行けるのは長編小説全体では3%もありません。これは中々厳しい世界ですね。まあ数万字も書かずに飽きて放置されている作品も沢山あるんですけど。連載中作品のうち8割は長期連載停止ですから。

ファンタジーと恋愛に人気作品が多いことは予想出来ていた方も多いんじゃないかと。書籍化されている作品もファンタジーと恋愛が中心ですしね。コメディーや学園は電撃文庫スニーカー文庫においてはまだまだ主流ですが、小説家になろうではあまり評価されないジャンルのようです。文学と童話に関しては殆んど評価されることはないので、それらを書きたいという人は大勢に読まれることは期待しない方が良さそう。