アニメごろごろ

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緑はいらない子なんて言わせない

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緑はいらない子。不人気の緑髪のキャラを指して、そういった風に呼ぶことがありますが、実際に緑髪のキャラは不人気なのでしょうか。まあ、そんな気がしなくもないのですが、あまり勝手な印象で語ることは宜しくないですよね。

この手の話は統計的なデータで示せなければ、最終的に本人の主観で決まるだけなんですけど、そうだとしても緑キャラを様々な観点から捉えた上で答えたいところ。

今回の文章はそうした訳の分からない動機から生まれた思考の履歴になりますので、気が向いた方はお付き合い下さい。

 

男児と女児に好かれる色は何か
緑髪の人気は明かされていないけれども、緑という色の人気は学研やビデオリサーチや色カラーの調査を見れば、瞬く間に分かる便利な世の中。ビデオリサーチによると好きな色に関して、下記の結果が出ています。

 

「ピンク色が好き」な3-6才の女の子|ビデオリサーチ オープンカフェ

 

3歳から12歳の男の子が好きな色(複数回答可)

青70%、赤43%、黄26%

緑42%(3位/11位)

 

3歳から12歳の女の子が好きな色(複数回答可)

ピンク67%、水色60%、紫36%

緑20%(8位/11位)

 

男の子には好かれる緑

ご覧の通り、緑は男の子の好きな色の上位にランクインする人気色。地味なんて言われたりもしますが、男の子が好きなドラゴンを連想させる色でもあります。

スーパー戦隊シリーズでは使われる頻度が少ない代わりに、追加戦士のドラゴンレンジャーやシュリケンジャーといった特別枠の追加戦士に使われた色。

ロボットアニメでは「輪廻のラグランジェ」や「ゼーガペイン」や「銀河疾風サスライガー」等々、主人公機に使用される機会が過去に何度もありました。ロボットに近しいところでは「TIGER & BUNNY」のワイルドタイガーも緑。

緑は戦場で迷彩色として役に立つ為にザク、コクボウガー、スコープドッグといった兵器の要素が強いロボットに愛用されています。それと同様の理由で「ガンダム00」と「ロックマンエグゼ」のスナイパーも緑。

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シャア専用の赤色のザクも映えるのは、その補色となる緑色のザクがいるおかげですし、地味に思われる緑にしか出せない魅力もあるということが分かります。

赤いきつね緑のたぬき、マリオとルイージ、ムックとガチャピン的な補色の組み合わせは、時に目がチカチカするという欠点もありますが、見る者の心に強く残る色です。

男の子の物語から脱線しますが、「ファイアーエムブレム」のチキ、「ぷよぷよ」のドラコケンタウロス、「アイカツフレンズ」の新海リンナの配色もそうなっていますね。あの緑の髪に赤い服は割と見る気がします。

 

それでは話を戻して男の子の物語で緑髪がどうなっているのかですが、男性キャラでは「聖闘士星矢」のアンドロメダ瞬、「ワンピース」のロロノア・ゾロ、「うえきの法則」の植木耕助、「弱虫ペダル」の巻島裕介、「僕のヒーローアカデミア」の緑谷出久とメインキャラが何人も生まれていますし、彼等の人気は悪くありません。

女性キャラでも「魔神英雄伝ワタル」のヒミコ、「マクロスF」のランカ、「ロストユニバース」のキャナル等々、ヒロインクラスのキャラをちらほら見かけます。特別に多いということはありませんが、少ないとも言えないといったところでしょうか。

 

女の子には好かれない緑
緑は男の子に好かれている一方、女の子からはそうでもないらしく、プリキュアシリーズのメインターゲットとなる3歳から6歳の女の子では、たった12%しか支持していません。

その残念な事実は女の子に向けたアニメに登場するキャラの髪色から感じられます。「セーラームーン」の木野まこと魔法騎士レイアース」の鳳凰寺風はイメージカラーが緑ですが、髪色が派手な仲間と違って茶髪と金髪になりました。

公式サイトで紹介されているメインキャラの中で、緑系統に属する髪を持っている者は少なく、作品によっては1人もいないという事態も起きているんですよね。


プリキュアシリーズ(2人/55人)
キュアミントキュアマーチ

 

プリーティーシリーズ(9人/69人)
シユン、ユンス、わかな、ファルル、ちり、ジュリィ、にの、ファララ、さら

 

アイカツシリーズ(2人/54人)

かなた、アリア

 

プリキュアシリーズで緑髪のプリキュアは6年に1人いるかいないか。主人公側の髪色というよりはデューン、ナマケルダ、カッパード、マジョリーナと敵側の色。

スタッフがプリキュアに適していない緑の使い道を考えた末に、敵側に用いることになったというのはあるかもしれません。それによって全体の色彩のバランスは整えられています。

 

アイカツ」はバランスよく人気のピンク髪から地味な黒髪まで揃えていながら、緑髪は不在の不思議な作品。何十人もいるサブキャラまで範囲を広げなければ見つかりません。

大人気のユリカ様は緑髪と言えなくもなくもないですが、下記の画像にあるように色が薄いので、イメージカラーが緑という風に解釈される場合が多いですね。 

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さて、プリキュアシリーズとアイカツシリーズが緑を避けている中、そんな空気は知ったことかと緑髪を何人も登場させている変わり者が「プリパラ」でした。

この作品は主人公のイメージカラーを薄紫にするなど、全体的に色彩のセンスが独特なんですよね。作品の人気が単純に色で動かされることはないとはいえ、「プリパラ」が大成功したことから学べるものは、まだまだ沢山ある気はしています。

 

異質な存在を表現する記号の緑

緑髪のキャラが少ない理由。それは緑という色が女の子に好かれていない状況に加えて、緑の持つ神秘的なイメージも影響しているのではないでしょうか。

赤髪、金髪、茶髪と比べて、リアルな髪色から遠く離れている緑髪。その特性からモンスターに多い緑の血と同じく、宇宙人や神様など異質なキャラに使われる傾向があります。

 

例えば、最初の画像に載せた双葉アリアは妖精アイドル、C.Cは不老不死の魔女、ラムは鬼型宇宙人、ファルルはボーカルドール。他にもエウレカトリトン超人ロックの名前が挙げられます。

緑髪が人間と異なる者のイメージを与えられてきたことで、普通のキャラに緑を用いることを避けてしまう。上記の意識が緑髪の割合を低下させた可能性はあるのかもしれません。

 

キャラが定まらない為に評価もぶれる

ここまで色々と視点を変えて述べてきましたが、「緑はいらない子」と断言する根拠は見つかりませんでした。はっきり言って作品によるとしか言えないですね。

緑髪は熱血の赤髪や冷静な青髪と比較して、性格面で大勢に共有されたイメージが弱く、その為に作品によってキャラの性格が物凄くぶれる。プリキュアシリーズでも暗い緑のキュアミントは知的で穏やかな性格でしたが、明るい緑のキュアマーチは直球勝負が好きな姉御肌の性格になりました。

そこから分かる通り緑髪に対して抱くイメージは、其々の観測範囲に左右される部分が大きい。緑髪が少ない話も女児アニメには当て嵌まりますが、乙女ゲームには全く当て嵌まりませんし、観測範囲がずれた場合は相手と全く話が噛み合わなくなるんですよね。

たまたま人気の出ない性格の緑髪に多く接していたとしたら、「いらない子」と感じてしまってもおかしくはないでしょう。緑髪が人気か不人気という議論が度々起きる原因は、もしかするとそこにあるのかもしれないですね。

 

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