アニメごろごろ

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強大な力を持つ紫色のキャラに敵は無し


紫色は強者の証
ばいきんまんジョーカー、メガトロン、フリーザエヴァンゲリオン初号機、キュアムーンライト暁美ほむら、神崎美月など強者が身に纏う紫色。平成仮面ライダーでもプリキュアでも、紫は強い力を持つキャラに安定して用いられてきました。

一般的に紫はミステリアスな雰囲気が強い色ですが、物語においては強者の風格を与える色の側面もあるようです。その発想に行き着く流れは幾つかあるとは思いますが、プリキュアに関して述べると紫が強い訳は、紫が持つ高貴、大人のイメージから来ていると考えられます。

紫は日本では冠位十二階の最上位の色、中国の道教では五行説の五色の上に立つ色、ローマでは特権階級の色とされてきました。紫が文化的に特別な意味を持つ背景は地域毎に異なりますが、ローマの場合は貝紫の染料が希少で非常に高価であることが要因にあるそうです。これは利便性ではなく希少性それ自体が価値を生み出す例ですね。

真偽の程は分かりませんが、紫をミステリアスに感じる人達が大勢いるのも、それが庶民の手が届かない高貴な身分を象徴する色であるからなのかもしれません。仮定の話になりますが、庶民が昔から好きに使える色として慣れ親しんでいた場合、紫に漂うミステリアスな雰囲気は薄れた気はします。

話を戻しますが、紫は高貴な身分を象徴する色として、江戸時代には天皇が徳の高い僧に贈る僧衣に使われてきた歴史的な経緯があり、その積み重ねによって特別な者に与えられる色という認識が補強されています。その紫に宿る不思議な空気が影響を及ぼしたのか、紫はプリキュアにおいてミルキィローズ、キュアフォーチュンなど異世界人や正体不明の特別な戦士を表す色として使われています。

そして彼女達は視聴者を惹き付ける為に、実力面でも他と違う特別感を与えられています。プリキュア初の紫枠に該当するミルキィローズプリキュア5人分と同等の力を与えられていました。イメージカラーが紫の戦士が強い訳の一端は、そこにあると言えるでしょう。

それでは次に紫が持つ大人のイメージについて話を移します。統計的に紫はピンクと比べて大人っぽいイメージを抱いている人々の割合が高い色とされています。女の子が自身を大人に見せる為に好み、大人になれば下着等で身近に存在する紫。

大人と縁の深い色である為か、キュアムーンライトにキュアマカロンなど比較的に自立した歳上の戦士に使われます。基本的に大人は子供より体力も知力も高いものですから、そうした大人の雰囲気を与える紫を身に纏うプリキュアは、必然的に強者に描かれる傾向が出てきます。紫は大人、大人は強い、故に紫は強い。

この他にも紫は主人公のイメージカラーであるピンクと近く、ピンクの上位に存在するというイメージもあるでしょう。プリキュアの紫が強者に設定される事情には、この辺が影響を及ぼしているのではないかと思います。

悪役に愛される紫色
ここ迄は主に女の子を対象にしたキャラに通じる話で、男の子を対象にしたキャラになると話が変わります。一番最初に挙げたキャラを見れば想像が付くかと思いますが、こちらでは紫が悪役を象徴する色になっています。それも悪役の中で特に凶悪なキャラに使われる色。プリキュアの紫に込められた意味とは全く異なります。悪魔の肌の色として有名らしく、昔から悪魔を描き出す際に紫を使う人は多いですね。

因みにアメリカでも悪魔の肌は紫で描かれる場合があるのですが、赤で描かれる場合が非常に多くて「トムとジェリー」や「パワーパフガールズ」で確認されています。どうもアメリカと比べると日本は悪魔の肌に赤のイメージを抱いている人は少ないみたいなんですけど、そうなるのは悪魔と似た様なポジションに「泣いた赤鬼」で有名な赤鬼が座り込んでいるからでしょう。日本では既に赤枠を鬼が押さえている以上、後発の悪魔はキャラが被らない為に紫枠でデビューするしか道は残されていなかったのではないかと思います。

まあ冗談は程々にして話を先に進めます。数十年前から紫は人々から邪悪なイメージを抱かれていることが、様々な作品から感じ取れる訳ですが、その認識は何処から生まれたものなのでしょうか。それを考えた時に真っ先に思い浮かんだのは、冥府神の女神ヘカテーに捧げられる花とされ、日本三大有毒植物に数えられるトリカブト

猛毒を持つトリカブトが紫に人を死に至らしめる負のイメージを植え付けた可能性は考えられます。本当にそうなのかと聞かれたら、多分そうだろうとしか言えませんが、紫を死を呼ぶ色と考えるのは割と筋が良い気はします。死体の皮膚に表れる死斑は赤紫や青紫であり、紫は死を連想させる不吉な色と言えます。この辺から派生して次第に紫が凶悪な悪役のイメージカラーになったというのはあるかなと思っています。

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