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「Re:ゼロから始める前日譚 陣営結成秘話」感想

今回の特典小説はフェリス、シュルト、ユリウス、フェルトの視点を中心に各陣営の結成秘話が描かれていました。大半が従者の視点に焦点を当てている中でフェルト陣営だけは、従者のラインハルトの視点が徹底的に排除されています。鼠色猫先生の過去の発言から察するにラインハルトの心の内を描写する事を避けたのは、それが作品の根底を覆す様な重要な秘密に触れてしまうからなんでしょうね。

今回の短編の中では自分がユリウスを好きな事もあってアナスタシア陣営が一番楽しめました。WEB版の最新話と併せて読むと成程と思わされる部分があります。基本的に自己評価が低いユリウスはどうやら自分の器を越えた大望を掲げる人間に惹かれるらしく、王選の参加に物怖じせずに自分の夢を叶える一歩と考えるアナスタシア、無力な癖に大勢の前でエミリアの騎士を堂々と名乗るスバルの姿に感銘を受けた訳もそこにあります。ユリウスの自己評価の低さについてですが、これは本人の元々の性格に加えてラインハルトやフェリスの影響が大きい気がします。ユリウスは頭脳も魔法も剣技も人格も優れてはいるものの、彼の側にはあらゆる点で突き抜けたラインハルトと天才的な治癒術師のフェリスがいたので、自分に自信を持ち難いのはありそうです。

ユリウスは周囲の期待に応えようと並々ならぬ努力を繰り返した結果、最優の騎士と呼ばれる程の立派な人物に成長してはいるのですが、それは裕福な騎士の家に生まれ英才教育を受けた者として当たり前の事をしているに過ぎないんですよね。周囲の評価は別として本人の意識としては不可能と思える真似はしていないと思います。その様に与えられたレールの上を真面目に走るだけのユリウスの目には、カララギの最下層に生まれ育ちながらゴミの様に腐らず、大商人にまで登り詰めたアナスタシアの人生はまるで物語の様に輝いて見える。

最下層に生まれた人間はフェルトがそうである様に生きる事に必死で、不遇感から次第に倫理観が薄れて窃盗や詐欺など犯罪に手を染めやすいのですが、そうした劣悪な環境でもアナスタシアは魂が汚れる事も無く真っ当な道を歩き、さらには己の限界を越えて新たな道を拓いていきます。特別な加護も血統も権力も持たない身でありながら、あそこまでの地位に立てるアナスタシアが王の器で無ければ何だというのか。ルグニカの騎士であるユリウスが王族とも縁を持つクルシュを支持せず、カララギに生まれたアナスタシアに忠誠を誓う訳は短編を読むと非常に分かりますね。

ユリウスの他者に対する評価の基準がアナスタシアみたいに自分の限界に縛られない生き方とするなら、実力が無い癖に口では大きな事を言うスバルを評価した事も腑に落ちる。スバルがエミリアの騎士を宣言した場面は読者から見ても登場人物から見ても痛い感じはありましたが、味方がいない状況であれだけ強気な姿勢を見せるのはある意味で凄い。ユリウスは騎士として格好をつける事を重んじていますし、実力が不足しても最も大切な主人の前で逃げないスバルの態度は好ましいのではないかと思います。

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