アニメごろごろ

楽しんで頂けたらツイートなどしてもらえると喜びます。

「とある魔術の禁書目録」と「とある科学の超電磁砲」の演出と演技を比較


最近は「とある魔術の禁書目録」と「とある科学の超電磁砲」の妹編を比較しながら見ていました。両作品は一方通行との激闘を始める後半は脚本的に殆んど同じ事をしているんですけど、作画と演出と演技の差が大きいから退屈しないというかむしろ楽しい。上記画像の右側が「禁書」で左側が「超電磁砲」なんですが、これを見ると一方通行から御坂妹が受けた傷の差に驚きます。

超電磁砲」では御坂に肩を貸して貰わなければ立てない位に負傷しているのに対して「禁書」では自力で立つ事が出来て外傷も見られません。これだけ元気そうなら御坂が上条さんを助ける為に、手を貸して欲しいと無理を承知で御坂妹に頼む時にも罪悪感を覚えずに済みそう。本当は御坂妹に無理をさせたくないけど、それでも一方通行を倒す為に無理をさせる非情な決断を下す御坂の台詞に重みを与える意味でも、あそこの場面では御坂妹を瀕死にした方が映えますね。「禁書」の方は上条さんも御坂妹と同様に血を流していないので、一方通行戦を終えた後もまだ戦える余力を残している雰囲気が漂います。ぶっちゃけ上条さんに関しては一方通行と戦う前、御坂を止めようとして受けた電撃の方が効いている気がします。


電撃を受ける「禁書」の上条さんは演出的にまるでナッパの攻撃から悟飯を庇い死んだピッコロさん。この強烈な光を放つ電撃に耐える上条さんなら一方通行にも苦戦しないで勝てる。「禁書」の一方通行は放送当時は勝ち目の無い強敵に思えていたんですけど、「超電磁砲」の一方通行を見た後ではそうでもないと思えてきました。空気を圧縮してプラズマを生成する場面を比較すると、その規模の違いから両者の力の差を感じずにはいられない。何というか「禁書」の方は生成したプラズマが小さい上にコンテナに挟まれた窮屈な空間にいる所為で、映像的に世界を滅ぼす力を手に入れる場面には見えません。

この辺の演出の差違は「禁書」と「超電磁砲」の見所で、物語的には重要度の低い点になりますが、死体を発見したという上条さんの通報で駆け付けたアンチスキルの態度も異なるんですよね。「禁書」では御坂妹の死体が消えた事に動揺した上条さんに対してアンチスキルが心配する表情を見せるんですけど、「超電磁砲」ではアンチスキルは上条さんの通報が悪戯だと決めつけて不快感を示します。状況的には上条さんが妄言を吐いているとしか思えないとしても、その態度から悪戯ではないと考える「禁書」のアンチスキルの方が私は好きです。


「禁書」と「超電磁砲」では映像の表現の他に声優の演技も大幅に変更されており、「超電磁砲」で内面や過去が詳細に語られた御坂と一方通行はそれが顕著に表れています。「禁書」の一方通行の演技はテンションが高くて戦闘で弱者を追い詰め喜ぶ外道らしいものなのですが、「超電磁砲」の一方通行の演技はそれに加えて最強である自分に怯えない上条さんに対する不快感や張り合いの無い戦闘に対する退屈感なども感じられるものになりました。岡本信彦さんの演技力の向上も影響して一方通行の精神は、単純に力を持つだけの狂人や三下の域から抜けた複雑な悩みも抱えるキャラに昇華したのではないかと。

これともう一点だけ触れておきたいのが、最初に述べた御坂妹に助けを求める時の御坂の演技。これは完全に別物で「超電磁砲」の方は自分の無力さを嘆いて今にも泣きそうな声の出し方をしています。御坂の台詞量が増えているのもありますが、演技に感情を乗せている為に読み取れる情報力も桁が違う。ここは「超電磁砲」のオーディオコメンタリーで阿部敦さんと岡本信彦さんも凄い褒めていましたね。御坂が孤独に戦い積み重ねてきた辛い想いが感じ取れる最高の台詞でした。ちなみにオーディオコメンタリーでは上条さんと一方通行の演じ方を「禁書」の頃からどう変えたかについて色々と話されています。こちらはレンタル品でも聴けるので興味がある方は借りて見て下さい。