鋼の錬金術師 完全版(5) (ガンガンコミックスデラックス)
- 作者: 荒川弘
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2011/08/22
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
3次元でも男性は女性に若さと美しさを求めますし、女性も美容に気を遣い若さと美しさを保とうとしますし、男女共に女性の価値は容姿にあると考えているから、2次元でも実年齢を無視して美少女風に描かれやすい。年齢的におばあさんでも外見的には少女のロリババアと呼ばれるキャラが、大量に生まれた要因もそこにあるのでしょう。おばあさんは不老不死とか特殊な事情が無ければ「花咲くいろは」の女将ですとか「幽遊白書」の幻海師範ですとか年相応に描かれますから、女性は外見年齢で考えると中年女性だけが非常に少ない形になりますね。
上記の様に外見的な美しさが重視される女性と比較して、価値が権力や戦闘力に置かれる男性は年相応に描かれています。「マクロスF」のオズマとか「魔法科高校の劣等生」の十文字とか頼れる大人の雰囲気を出す為に、実年齢から10歳上に見える風に描かれる男性も中にはいます。若々しさを感じさせる外見にせず、髭を生やして皺を増やすなど中年に見える外見にしたからこそ、手に入る魅力というのは男性の方が多いのではないかという気はしています。「リゼロ」のヴィルヘルムは歳を重ねてからの方が達人の雰囲気が出ていて好きですね。
劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising- (初回限定版) [DVD]
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2014/07/04
- メディア: DVD
- この商品を含むブログ (8件) を見る
その様に権力から遠ざけられているイメージが強い為に見せ場が「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」や「あたしンち」みたいな家族の日常を描いたコメディに集中してしまうのではないでしょうか。おばさんはそのイメージが家事と育児など家族の生活を支える側にあるので、それとは縁の無い少年を対象にしたバトルものになると特に扱い方が難しそうですね。
例えばおじさんが主人公の少年を導いて守る展開は大勢の読者から受け入れられていますが、母親的なイメージを抱かれているおばさんがおじさんと同じ事をすると読者には恐らく嫌がられます。おじさんは性別的に少年が憧れて乗り越える対象ですから、おじさんに守られる事はその憧れを強める意味を持ちますが、保護者の側面が強いおばさんに守られる事は母親の保護が必要な子供に見えてしまい、下手をすれば母親が恋しいマザコン的な印象を与えかねません。まあマザコンに見えるというのは極端な例ですけどね。少年を守る側になるのも守られる側になるのも絵的に映えませんし、わざやざおばさんを登場させる利点は少ないかなと思います。
ジャンルにもよるので一概には言えませんが、読者を現実に引き戻さない為に日常の象徴と言える存在を出すのは悪手、毎日の様に家で待ち構えて子供の生活に口を出す母親はその最たる者ですから、母親の干渉を嫌がる年頃の読者的にそれを連想させるキャラは避けたいものではあると思います。ちなみに男性を対象にした作品に独り暮らしをしている主人公が異様に多い訳も、美少女にしか見えない母親がいる訳もそれで説明が付きます。このおばさんらしいキャラが活躍しない状況を変えるには矛盾しているようですが、やはり2次元でも3次元でも主婦や母親のイメージを払拭するロールモデルとなるおばさんが求められるのではないかと。
- 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
- 発売日: 2016/11/25
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (1件) を見る
昔は司令官や博士など上に立つ者は主に年長者の男性で、最前線で敵と戦う役割は若い男性が担い、女性はオペレーターや助手や看護婦など男性を支援する作品が主流でした。女性は女神や王女といった最初から選ばれた存在に生まれなければ、男性と同等の権力を手に入れる事が難しい時代で、女性が安定して幹部になれるのはドロンボー一味とか悪の組織だけですよ。女性を積極的に幹部に登用するなんて悪の組織はとても進んでいますね。「電子戦隊デンジマン」のベーダー一族なんて男性幹部がヘドラー将軍しかいないのだから驚きですね。世界の秩序を乱して逆らう悪の組織は男性中心の社会に対しても逆らおうとしていたのかも知れません。