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「コードギアス」ゼロレクイエムが成功した世界でルルーシュは誰と戦うのか

コードギアス」の新作はルルーシュが主人公、ゼロレクイエムの数年後の物語になるそうですね。「コードギアス」はつい先日も見返した位に好きな作品なので、続編が見られるのはとても楽しみです。ただ綺麗な終わり方をした作品だけに、続編が蛇足になるのではないかという不安も抱いています。

悪逆皇帝ルルーシュが世界を支配して戦争を根絶した後に英雄ゼロに討たれる。世界の敵を演じて人々の憎しみを全て引き受けたルルーシュの存在が人々に国を越えた仲間意識を与え、ルルーシュの死を契機に各国は戦争に費やしていたエネルギーを飢餓や貧困の解決に向かわせました。そんな風に世界が着実に平和な方向に進んでいる中で、物語になる様な出来事が起きるとは思えないんですよね。

とはいえあの世界はルルーシュとスザクの嘘の上に成り立つものですから、その嘘がばれてしまえば崩れ去る危険を孕んでいます。作中の描写では大多数の人間は嘘に気が付いていませんが、時間が経てばあれが嘘だと推察する人達は現れると思います。

アッシュフォード学園の生徒からルルーシュの話を聞き、ルルーシュがゼロに刺された時にナナリーとカレンの涙を見ていれば、本当にルルーシュが悪逆皇帝と呼ばれる人物なのか疑問に思えてきますし、ルルーシュとゼロが戦争を終わらせ世界を平和にしたという結果から逆算すれば、ルルーシュの真意に気が付いてしまう人達もいるでしょう。

ルルーシュは皇帝に即位してから自分に逆らうナイトオブラウンズや貴族連中を殺害しても、恐らくユーフェミアみたいに善良な一般市民の虐殺はしていないので、丁寧に調査を進めれば世界の平和の為に独裁者を演じていた線は強まるはず。まあルルーシュについては真相が知られても問題は然程無いのですが、そこから万が一ゼロの正体がスザクである事まで悟られてしまうと面倒な事になります。

シンクーや神楽耶はルルーシュとスザクの嘘に気が付いても平和の為にそれに乗るでしょうけど、ルルーシュとスザクに家族を殺された人達はそうはいきません。ルルーシュとスザクが偉業を成し遂げた事は、大切な人達が殺された悲劇を許せるかどうかとは別の話。為政者の器を持つ者や他人に優しい者は許せますが、感情に流される大衆には難しいでしょう。

ルルーシュは命を捧げた事で罪が許されやすいですが、ゼロとして生存しているスザクは争いの種になるかもしれません。世の中には黒の騎士団を生み出したゼロの様に己の目的の為に、憎悪を抱いている人達を利用する悪党はいますからね。その人達からスザクが怨まれてしまうとルルーシュが世界中からの批判を回避する意味も込めて、衆人環視の中でゼロに討たれた意味が薄れてしまいかねない。

平和に向かう世界にもそうした危険が少なからず残されていますし、人間は何度も同じ過ちを繰り返す生き物ですから、続編で激しい戦闘が行われる可能性は十分にある。ただゼロレクイエムから数年でまた戦争やテロが起きてしまうとルルーシュの計画が無意味に見えてしまうんですよね。幸福な明日を求める人間を信じたルルーシュがシャルルやシュナイゼルよりも正しい決断をしたと思いたいので、人間同士が争う方向に進まないで欲しい。

個人的に続編の敵は普通の国家や組織に属さないギアス嚮団の関係者、作中では殆んど語られないCの世界の謎に触れる方向だと嬉しいですね。続編では「コードギアス」の脚本家の大河内一楼さんが「革命機ヴァルヴレイヴ」で描いた様な世界の裏に潜む怪しげな組織に焦点を当てる事を期待しています。

余談ですが「ヴァルヴレイヴ」は「コードギアス」と似ている部分が多いんですよね。肉体を奪う特殊な能力を持つ不死の人間がいる、主人公はその特殊な能力が原因で仲間に裏切られる、もう1人の主人公は王女を救う為に自国の革命を企む。企画段階でそこは意識されていたのではないでしょうか。

ところで少し気になっているんですけど「コードギアス」はタイトルがあれとはいえ、ロボットものである以上は新作が出れば当然の様に新型の機体を登場させるはずですが、その場合はどの様な経緯で登場させるつもりなのでしょうか。戦争が終結して国家予算が世界を平和にする為に回されると、新型の開発は積極的に行われなさそう。