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「Re:ゼロから始める異世界生活」素晴らしいアニメを作り上げたスタッフに感謝


Re:ゼロから始める異世界生活」のアニメもついに最終回を迎えましたね。半年間とても楽しませてもらいました。流石「はたらく魔王さま」に「ご注文はうさぎですか?」に「STEINS;GATE」と良作を沢山残してきたWHITE FOX、非常に丁寧な仕事がされていました。

Twitterにも書いた話なんですけど、「リゼロ」は作品の出来を左右する作画や演出が良いだけではなく、それ以外の面で成功させる為に色んな手を打つ姿勢が素晴らしい。具体的には最新刊の内容を発売前にアニメで放送する事によって、原作読者にもアニメ派と同様に何が起きるか読めない楽しみを与えるとかですね。「リゼロ」にはこの手の工夫が幾つもありました。

ラノベをアニメにする際には2クールなら4巻まで消化する位が丁度良いのですが、「リゼロ」は「東京レイヴンズ」と同様に2クールで9巻までと無理に詰め込んで進めているので、大幅にカットされる場面が出てきます。それは仕方が無い事だと頭では分かっていても、原作読者はついあれがないこれがないと言うものです。個人的な意見を言えば演説にはもう少し時間を掛けて、王選候補者の魅力を伝えて欲しいという気持ちはありました。

プリシラ「妾こそ王に相応しい」
クルシュ「龍との盟約を破棄する」
アナスタシア「ウチの国が欲しい」
フェルト「この国の全てを壊す」
エミリア「民が公平である国を創る」

これ位の事しか主張していないアニメを見るとエミリアしかまともそうなのがいない感じに見えますが、原作ではアナスタシアの商才がルグニカ王国の役に立つ事や、龍に縋らずにルグニカ王国は自立すべきとクルシュが訴える理由や、自分の都合の良い方向に世界を動かすプリシラの不思議な力が描かれるので、アニメと比較するとわざわざエミリアを選びたいとはあまり思えない展開になっています。

尺的な問題でこんな風に原作読者から不満が出る事は避けられませんが、それを少しでも抑えようとスタッフはOPとEDをカットして本編の尺を伸ばす工夫をしていました。この他にも視聴者に作品の魅力を早めに伝えようとして初回は1時間で放送、18話「ゼロから」は中途半端な場面でCMが挟まれスバルとレムの会話を邪魔しない様にBパートは異例の20分、こうした視聴者を引き込む細かな配慮が素晴らしくて感動しました。これを実現する為に色んな立場の人達が奔走したと思うと胸が熱い。


アニメは規制が厳しい為に過激なグロとエロは黒での塗り潰しや謎の光を入れて、視聴者に見えないように修正するので「テラフォーマーズ」や「アカメが斬る」はそれで盛り上がる場面が台無しになる時もあったのですが、「リゼロ」はそうした規制をされない絶妙な線を攻めています。その甲斐あって「リゼロ」に欠かせない凄惨な死に方が見事に表現され、視聴者は緊張感のある映像を堪能する事が出来ました。

演出的な話では綺麗さと醜悪さを併せ持つ人間らしい表情の数々、レムに殺される場面の血を連想される真っ赤な夕焼けなどの背景も良かったです。下記画像にある6話「鎖の音」の赤と青が混じる空は綺麗な上に、空の色と鳥の位置で人間達と仲良しになる赤鬼と孤独に生きる青鬼の関係を表現している点が上手い。

「リゼロ」のアニメは先述した空の色と鳥の位置もそうなんですけど、意識して見る事がある少ない部分に沢山の情報が込められているんですよね。スバルの持つ包丁には愛刀流れ星と名前が刻まれ、ベアトリスがスバルに渡した本やフリューゲルの大樹には原作読者から見ても重要な情報が書かれています。細部まで作り込まれているので、色々と探して見るのも面白いですよ。


うたわれるもの 偽りの仮面」の時にも感じていましたが、美術監督として参加する機会の多い高峯義人さんの腕が良いのか、WHITE FOXの作品は時々息を飲む様な背景が描かれます。これが長所にあるWHITE FOXに幻想的な異世界が舞台の「リゼロ」を制作してもらえたのは運に恵まれていたと最終回の美しい平原を目にしてそう感じました。

背景といえば「リゼロ」ではOPにある草が生えた螺旋階段、レムに告白する場面にある折れた柱、背景には朽ちた建造物が映される事があるのですが、これには運命に抗い傷を負うスバルの姿を表しているとかそうした意図でもあるんでしょうか。

さて見所の多い「リゼロ」のアニメで忘れてはならないのは声優の演技。ロリに変態と己が得意とするキャラを任されたベアトリス役の新井里美さんとロズワール役の子安武人さんの演技が良いのは当然として、アルスラーンや多華宮仄などそれまでの大人しいキャラのイメージを変えたスバル役の小林裕介さんも最高の仕事をしていましたね。スバルの持つウザさを見事に表現されていて、あれは嵌まり役だなと心から思いました。

「リゼロ」はキャラを絶望に落としてから這い上がらせる展開が基本、声優に求められる演技もそれに合わせて悲しみから喜びまでと幅が広い。小林裕介さんみたいな若手声優には難しい役かも知れませんが、それを演じるのは自分の実力を世間に認識させる絶好の機会でもあるので、声優を続ける為の貴重な財産になるのではないかと最近は思っています。場合によっては女の子や男の子がのほほんと生活するアニメに何度も出演する以上の効果はあるのではないでしょうか。

15話「狂気の外側」の世間的な評価に関しては分からないので何とも言えませんが、あれで自分の中での小林裕介さんと水瀬いのりさんと松岡禎丞さんの評価は急上昇しました。あの回は狂人の振りをするスバルの無様さ、ペテルギウスの変態的な動き、誰もいない静かな邸に響き渡るスバルの荒れた息、演技と作画と演出の全てが抜きん出ていて何度も何度も見ました。

これ程の傑作を見る事が出来てファンとしては幸せです。このクオリティなら四章と五章も見たいですね。MF文庫には前例として何度も続編が作られ合計4クールもある「ゼロの使い魔」があるので「リゼロ」もそれ位ならやる可能性はあるのではないかと希望を抱いてます。


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