アニメごろごろ

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宮崎駿の銭形警部はトレンチコートの前を閉じる


宮崎駿さんは我が強く他者の作品をアニメにする際に自分色に染めてしまいます。その悪い癖は「ルパン三世」セカンドシリーズで脚本と演出を担当した「死の翼アルバトロス」と「さらば愛しきルパンよ」においても発揮されました。峰不二子はセカンドシリーズでは基本的に戦いませんし、戦うとしても銃を撃つ位しかしませんが、「死の翼アルバトロス」では手刀や蹴りで敵を気絶させるなど、まるでサンやナウシカかと思う程の戦闘力の高さを見せます。セカンドシリーズが100話以上費やして作り上げたキャラのイメージに合わせる気が一切感じられません。


宮崎駿さんの描いた「ルパン三世」と原作者を含むそれ以外の方が描いた「ルパン三世」との相違点は銭形警部のトレンチコートの着方。宮崎駿さんはどういう訳か銭形警部にトレンチコートの前を閉じさせるんですよね。このことを「ひそかブログ」のひそかさんとTwitterで話していた時に頂いた意見が、トレンチコートの前を閉じると銭形警部の持つ生真面目さや律儀さが増して見えるというもの。これはトレンチコートの前を閉じた理由としてはかなり正解に近いところにあるのではないかと思っています。

宮崎駿さんは「カリオストロの城」でもそうなのですが、銭形警部をセカンドシリーズに代表されるようなルパンに出し抜かれてばかりの三枚目として描きません。不二子に変装してルパンを罠にかける敏腕警部という風にも描いています。そうした銭形警部の人物像は最も正しい解釈だと原作者のモンキー・パンチ先生も認めていますね。優秀な銭形警部を演出する為にトレンチコートの前をきっちりと閉じて真面目さを強調して仕事が出来そうな男に見せる。宮崎駿さんがそうした意図を込めて銭形警部を描いていた可能性は高そうです。