アニメごろごろ

楽しんで頂けたらツイートなどしてもらえると喜びます。

「黒子のバスケ」三期OPの光と影の使い方


三期の見所となる誠凛vs海常、秀徳vs洛山。
その試合の組み合わせを誠凛と海常を右斜めと左斜めから映し、秀徳と洛山は真正面から映し向かい合わせる形にすることにより表現しています。全チームを真正面から映すだけでは対戦相手が分かりませんが、この様に構図を少し変えるだけでも映像に意味を加えることが出来ます。

背景のライトは誠凛と秀徳が赤系、海常と洛山が青系と二つに分かれていますが、この配色は各校のユニフォームの色に合わせているのでしょう。「黒子のバスケ」にはこんな感じにキャラやチームのイメージカラーと同系色のライトを照らす演出が多々見られます。

この場面では強いライトを照らし影の濃淡を明瞭にすることで筋肉のラインを際立たせています。この光が強ければ影もまた濃いものになるというのは物語でも語られていましたね。


もう既に敗退してしまった陽泉と桐皇はOPに登場させてもらってはいるものの、誠凛と海常と異なりコートの外に配置されています。これはコートに入れるのは試合をする選手だけだからなのでしょう。

敗者はそこに立つことが許されないという勝負の世界の厳しさが感じられます。演出とはあまり関係有りませんが「黒子のバスケ」のOPは二期の時もそうだったんですけど雲と空がとても綺麗ですよね。


三期でのヒール枠に該当する福田総合学園は濃い影により表情があまり見えず、不気味さが増して悪者らしさがより強調されています。過去のOPにおいては青峰と赤司にこの技法が用いられていていました。

この作品は雲と空といった背景の綺麗さ以外にこうした光を巧みに操りキャラを魅せるのも上手いですね。この光を用いた表現が多いのはライトがある試合を屋内で行うスポーツだからというものあるではないでしょうか。


各選手の得意技が発揮された場面。
大きな手と握力の高さを活かし片手でボールを掴み投げる木吉、シュートの際に急激に後退する不可侵のシュートを覚えた日向、鷲の目の広い視野を活かし敵から視線を外さずにいちいち周囲を見ないでもパスをする伊月。ついでに書いておきますが伊月と同じことは鷹の目を持つ秀徳の高尾も行っていますね。右下は顔も映らないし何をやっているのかいまいち分からないかも知れませんが黒子のパスです。

最初にこの誠凛が技を披露する場面を見ていた時には黒子がいたのか記憶に残っていなかったんですが、そう思わせるところが目立たない存在感の無さが黒子らしさが発揮されていて素晴らしい。普通なら如何にキャラの出番を増やし見せるかとなるところで逆にキャラを見せないとは。


黄瀬の姿が他選手で一瞬隠れた後に黄瀬と入れ替わりに青峰と紫原が登場。この作品を知っている視聴者であれば誰でも気付きますが、これは黄瀬の完全無欠の模倣を表しています。あまりに相手のプレースタイルを模倣するのが巧い為にまるで模倣対象本人がプレーしているかの様に見える。この他選手を壁にした映像表現は一期のOP「RIMFIRE」の中にある黒子の活躍の時にも用いられていました。

この黄瀬の模倣の後に笠松先輩が側に敵がいないにも関わらず黄瀬にボールを回す場面があるのですが、この自分でボールを運ばずにわざわざ黄瀬に任せるところにエース黄瀬に対する信頼を感じます。

黒子のバスケ」のアニメは作画や演出が良い時と悪い時があったりと波がありますが、携わるスタッフが基本的に優秀なのか素晴らしい映像が見られるので、原作ファンとしては嬉しい限りです。最後にこの三期のOP「Punky Funky Love」は花火がクレジット表記やらで多様されているのですが、何故花火なのか分かる方がいたら教えて下さい。

そのOPは何を伝えたいのか「ハイキュー」と「黒子のバスケ」から読み取ろう - アニメ見ながらごろごろしたい

「黒子のバスケ」影という役割から外れた努力の無意味さ - アニメ見ながらごろごろしたい

勝利に拘る赤司征十郎と浅野學峯 - アニメ見ながらごろごろしたい