アニメごろごろ

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「PSYCHO-PASS サイコパス2」のOPの謎と常守朱の名前の意味するもの


反転、半分、反復
サイコパス2」のOPにおいてこれらの表現が多用されていますが、一体何を意味しているのか。ここでは何度も握手を繰り返していましたが、最後はドミネーターを手にして相手に向けます。これは恐らく朱と霜月の腕と思われます。犯罪係数の高い人間を排除しようとする霜月は朱とは馬が合っていないようなので、そのうち主義主張の違いから対立するのかもしれません。

同じ光景が繰り返される反復表現。これは一期の一話の朱が配属された場面と最終話の霜月が配属された場面が似ていた様に、誰もが誰かの代わりになり同じことが繰り返されるだけで、変化に乏しい無味乾燥な日常が続いているのが現実とでも伝えようとしているのでしょうか。安心安全な監視社会では個人の人生にも社会にも劇的な事件は起こり難いので、そうした世界では毎日が同じことの繰り返しになる。ただし反復映像にも多少変化が生まれていたので、現実は何も変わらないということでも無いのでしょうけど。ここら辺の話は歌詞にある「終わりの無い終わり」が意味することが作中で明らかになれば分かるのでしょうか。


二期になってから加わった東金朔夜。OPを見た感じでは重要人物の様ですが、物語においてどの様な役割を担うのか気になります。東金が描かれている場面では左半分が真っ黒に描かれていたり、右半分に狡噛らしき人物が描かれています。また彼が登場する直前にはシビュラシステムとも通じている公安局局長が映されていたりと謎が多いですね。これらの映像から一見まともそうな東金が悪魔染みた二面性を持っていたり、シビュラシステム側の人間であったり、狡噛の天敵か代替品として存在していたりと様々な展開が想像出来ますね。今のところ東金は狡噛と共通する部分が作中で描かれているので気になります。


逆さになる飛行機と人影。飛行機については二話で少し触れていましたね。この反転して逆位置になった飛行機から赤い液体と共に現われた人影は何者なのか。髪が短いので朱の様にも見えますが、前髪が揃っていないので別人なのかなという気がします。話が進まないと正体について断言出来ませんが、十五年前に起きた飛行機事故の場に居合わせた誰かというのが妥当なところですかね。


常守朱の名前が意味するもの
サイコパス2」に登場する悪役の鹿矛囲は他者の心理状態を健全なものに変えて色相をクリアにすることが可能であり、それにより犯罪係数の高い執行対象の人間を救おうとします。そして鹿矛囲は執行対象を救おうとせず殺してしまう公安局に対して、「What Color」を意味すると思われるWCというメッセージを残しています。

この行動を見て分かる通り「色」が今回の物語では重要な意味を持っていて、どうやら「サイコパス2」では何らかの方法で他者の色相をクリアにする鹿矛囲と彼と同じ様に他者の犯罪係数を僅かに低下させた朱を中心に物語が動き出すみたいなんですよね。この色相を変えるところに注目したのは、常守朱の性格と名前にも繋がっていて上手いなと思いました。

常に守ると書いて「常守」ですが、これは凶悪犯罪者であっても殺さずに可能な限り救おうとしてきた彼女に相応しいですね。そして「朱」という名前なんですが、これより彼女に似合うものは無いと個人的には思っています。「朱」という言葉を用いた諺として「朱に染まれば赤くなる」というものがありますが、それは他者の犯罪係数を低下させるなど周囲に良い影響を与えていた彼女の性質を見事に表しているのではないでしょうか。

そのことを冲方丁さんは意識して「サイコパス2」を作ったのではないかなと感じています。いや全話視聴してみないと本当にそうなのか分からないですけどね。ただまあ「私という色を問う、私自身の戦い」と朱に言わせていたあたり、彼女の名前が色を表すものと意識した上で作ってはいると思います。

二期から脚本を担当した冲方丁さんは色相判定という設定作りも常守朱音という名前作りにも一切関わっていません。既に他者の手によって作られた作品の続きを書かなければならず、自分で一から作り上げるオリジナル作品と異なり制限だらけのそんな状況で、色相判定という設定と常守朱という名前を交わらせた物語を生み出したのは見事と言うしかないですね。


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