銀の匙 Silver Spoon 12 (少年サンデーコミックス)
- 作者: 荒川弘
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/08/18
- メディア: コミック
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現代日本の天才でも何でも無い普通の高校生を描いた「銀の匙」においても、将来について真剣に考えて行動しているキャラが何名もいるあたり、これはもう作風なのかなという気がしています。現実においても物語においても大抵の高校生は恋愛や部活や勉強に励んだり、それなりに何かに打ち込み目的を持って生きていますが、将来的にどの様な仕事に就いて何をするかまで先を見据えての行動は殆んど見られません。例えばスポーツものでは全国大会優勝を目指すといった短期的な目標はあっても、そこから先の目標がまるで考えられていないことは少なくありません。全国大会優勝出来そうな実力があるのに、将来的にプロになるのかどうかも全然考えていなかったりします。
青春ものでも人間関係等に対してはあれこれ悩んだりしても、将来については何も考えず何も悩まないキャラがいますよね。作品が何を主題にしているのかによって、そこら辺の描き方は変わるので、進路について考えていないから駄目だとは言うつもりはありません。ただ友達と一緒にいたいという理由だけで大学を選ぶキャラとかはどうかと思います。何か話が逸れてきそう。まあ言いたいこととしては八軒や駒場や多摩子や吉野の様な生計を立てる事も視野に入れた現実的な夢に悩むキャラはそうはいないよねという話。
- 作者: 荒川弘
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2014/02/25
- メディア: コミック
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サラリーマン等の仕事は子供の目には見えない場所で行われているので、子供には親がどの様な仕事をしていて何が大変なのかを把握するのは難しいんですよね。会社の業績が悪化して失業しそうだとしても、親が隠そうとすれば子供は何も知らず不安も感じずに終わります。農家だと商品が家に置いてありますし、子供も一緒に働いているので経営が苦しいかどうかは見えやすいでしょうね。そろそろ疲れてきたので話を纏めると、農家という働かざるもの食うべからずの理を感じやすい環境の中で育ったことで肉体的にも精神的にも鍛えられ、それが作品内で自立したキャラが描かれることにも繋がっているように思います。本当にそうなのかは分かりませんが「百姓貴族」を読むとそんな風に感じます。