アニメごろごろ

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「パンプキンシザーズ」18巻と「パンプキンシザーズPower Snips」1巻 感想

単行本が出るのが遅いところに不満はありますが、そんなものを吹き飛ばすくらい面白い!
この合同会議編では「劣等感」というのが理解する上で重要になりそうですね。マーウィンとハーケンマイヤーはアリスに、技術者達はカウプランに、アンチアレスは帝国に対し劣等感を抱いていた。この劣等感というものが今回の事件の引き金になっています。ふと思ったのですが前巻のロゼッタさんの「気配りしても同情するな同情しても哀れむな」あたりの台詞は、劣等感を抱かせない為の一つの答えになるのではないでしょうか。


民の為に心も体も尽くすと決めたアリスの跨る馬のエイスにはユニコーンの様に角が生えています。このユニコーンの様な馬に乗ることがアリスの生き方を暗示していると考えているのですがどうでしょうか。これだけだと何を言っているのか全然分からないと思うので説明すると、ユニコーンというのは処女を好んでいて処女の前では大人しいのですが、もし自分と関わった処女が偽物であることが分かると、激怒してその処女だと思っていた女性を殺します。そんなものを扱うのであれば女性は処女であり続けなければなりません。
つまりエイスをユニコーンとするならば共に戦うアリスは処女でなければならず、それは男性と結ばれ子供を産む女性としての喜びを捨てることを意味します。これが自分個人の人生を終わらせ、民の為に尽くすと決めたアリスの生き方を暗示しているのではないかと。

「昔ならきっと飛び出せた…でももう無理だ…気付いた…誰にでも死の可能性がある」
「誰かを助けようとすればボロボロになる。英雄なんてゴミのように死ぬだけなんだ…」

死の恐怖と英雄の末路を自分でも理解していながら、それでも少女とアリスを助ける為に戦い英雄となったハーケンマイヤー。
皮肉なことに彼女の死が彼女の言葉の正しさを証明する形になってしまいましたね。合同会議編からの登場とはいえ出番の多かったハーケンマイヤーをここで死なせるとは思ってもいなかったです。今迄主人公側のキャラは死んでいなかったので今回も何とかなると信じていたのですが…彼女のことを見捨てたマーウィンにはどの様な裁きが下るのでしょうか。

サイドストーリーを描いた「パワースニップス」の作画は皇月ノブ先生という方ですが、絵柄は岩永先生ととても似ているので読んでいて違和感は無かったです。むしろ作画が違うはずなのに似過ぎているのが逆に違和感あるというか。
外伝作品を別の漫画家に任せたものというと「マギ シンドバッドの冒険」や「進撃の巨人 悔いなき選択」がありますが、正直なところあの二つは原作者が作品作りにあまり関わっていないのか本編よりも大分面白さは落ちているんですよね。それらと比べると「パワースニップス」は十分満足出来るものに仕上がっていたと個人的には感じました。これ岩永先生はどの程度関わっているんですかね。