アニメごろごろ

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「ガッチャマンクラウズ」考察 ベルク・カッツェをどうすれば無力化が可能なのか


七話のカッツェ戦は作画が普段の何倍も良い出来ですね。この作品は予算が少ないらしく質は良くないのですが、戦闘だけはかなり気合入ってます。魅せるところでしっかりとやる為に普段は手を抜いているんでしょうね。私としては全体的に無難な出来になるより、作画崩壊が多少あってもその分大事な場面でしっかり魅せる方が好きですね。

あとベルクカッツェ役の宮野真守さんの演技はぶっ飛んでいて素晴らしいですね。カッツェの狂っていて掴みどころのない感じが上手く表現されていると思います。宮野さんはイケメン役を演じることも多いので女性ファンも多いですが、そうした役だけでなく「妖狐×僕SS」の夏目みたいな変人役もかなり上手いんですよね。個人的にカッツェの演技は今期作品では最高の部類です。


まあそうした話は置いておいて本題に入ります。悪役として配置されているカッツェですが、彼に対してはじめ達がどのように対処するのか気になります。昔ながらのヒーローものであれば悪い奴をぶっ飛ばして終わりにすることも出来ますが、この作品ではそれは出来ません。累はクラウズの力を使ってカッツェを倒そうとしていましたが、それだとカッツェに言われた通り暴力大好きで力とか欲しかっただけになります。カッツェを暴力によって排除することは可能かもしれませんが、それでは主人公達の正しさを証明出来ないので負けたのと変わりません。暴力による解決は下策ですからね。それも作品として一つの答えではありますが、監督はそれをやるつもりはないように思えます。

そうなるとメスの時と同じように互いに戦うことを止める方向に行くしかありませんが、それも中々難しいのではないかとカッツェを見ていると感じます。カッツェのやっていることは「仮面ライダーオーズ」のヤミーや「ドキドキプリキュア」のジコチューと近くて、人間の心にある悪の部分を肥大化させて人間の代わりに悪事を働いるような感じです。事件を起こしたのはカッツェですが、それは人間の代わりに行っただけです。カッツェが事件の真犯人が人間の醜い心と語っていたのはそういうこと。人間の中の悪が消えない限りはカッツェの悪行を止めることは出来ませんが、人間全員の心を綺麗にすることは不可能に近い。ではどう対処すれば良いか。

姿を見せずに煽ったり成り済ましたり、他人の不幸を喜んだりするカッツェはネット住民の悪い部分を集めたようなキャラです。もしカッツェがそういう連中と同じであれば、下手に反応すると調子に乗って騒ぎが大きくなるだけです。本気になって相手をすると喜ばせてしまうので、こういう時には無視することが一番の対処法です。はじめがガッチャマンであることを知られて会ったこともない連中に好き勝手言われるようになったら、携帯の電源を切れば済む問題だと話していたのと同じように。けどさすがにそれでどうこうなるとも思えません。向こうが勝手に成り済ましをして事件を起こしている以上は、無視しているだけではどうにもならない。

となると隠れてるカッツェを世間の目に当たるところに引き摺り出すのが効果的なのではないでしょうか。真犯人は人間の心と話していますが実行犯はカッツェなので、世間にその存在が公表されれば事件の解決は出来ると思います。とりあえずカッツェが全部悪いということにしてしまえば、人間同士で滅ぼし合うことは無くせるのではないかなと。人の心が汚いなんて言われていますが本当に悪い人間は描かれていないので、カッツェが手を出さなければ滅ぼし合うことになるとは個人的にはあまり思わないんですよね。まあそんな対処法になるとは思いませんが、ここはやはり主人公のはじめが何とかするしかないかなあ。

はじめがカッツェとどう向かい合うかですが、作中にはそのヒントらしきものが幾つかあります。ガッチャマンという特別な存在を世間に隠さないところ、道具は使うけど道具に振り回されないところ、自衛隊や警察や消防の人達にリアルでも繋がりを持つように勧めるところ、悪いことをする相手にも理由があると考えるところ等々。これがどう活きるかは分かりませんが、何らかの意味はあるかなと思っています。結末としてはカッツェを説得させてその価値観を変える若しくは世界を変えてカッツェが好き勝手出来ない場所を作るとかですかねぇ。世界をアップデートというフレーズが何度も出てきているので、後者の方が有力かなという気がします。